理窓 2017年1月号
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24試行錯誤を続け、授業のなかで生徒たちが自ら議論し、教え合う姿が見られたときは何物にも代え難い喜びを感じます。いち早く授業スタイルを確立させるためにも、先輩教員に助言をもらいながら、よりよい授業を目指していきます。 4月に常夏のシンガポールに赴任し、最初は照らしつける太陽、飛び交う外国語そして初めての一人暮らしに慣れないことも多くありましたが、心温かい同僚のおかげで今では、不自由なく楽しく暮らしています。また、生徒に負けず、視野を広げるためにも、休日は外出し、観光客気分で異文化体験をしております。 たくさんのことに挑戦できるこの恵まれた環境で、キャリアを築き、数学と教育のプロとなるよう精進していきます。東京理科大学理学部第一部数学科板垣 智洋(平27理・博数) 私は2014年度に博士課程を終了し、その翌年度から現在に至るまで東京理科大学理学部第一部数学科の助教として勤務しています。受け持っているいくつかの授業やその準備の合間に研究するという生活を送っています。学部時代も含め東京理科大学に所属しているのは今年で11年目になりました。 東京理科大学を知ったのは高校3年生の10月頃に大学入試の資料を見たときです。それまでは理学部数学科のある大学という漠然とした進学希望しか持っていませんでした。パンフレットの数学科のカリキュラムを見たときから、数学を前面に出したカリキュラムの印象が強すぎて他の大学のことをあまり考えなくなっていたような気がします。 入学後は留年率が高いという話を聞き、また自宅が大学近くにあったこともあり、授業後は学食近くの談話室で勉強していたことが多かった気がします。もう少しアルバイトや課外活動をして様々な経験を積んでいた方がよかったと思うことが今でも時々あります。入学当初は教員を志望していましたが、学年が上がると共に大学で学ぶ数学の内容により興味を持ち、もう少し勉強したいという思いが次第に強くなり大学院に進学しました。 進学後は進路のことについてほとんど深く考えていなかったこともあり、その年度末には進路の選択の岐路に立たされました。当時は就職するかそのまま博士課程に進学するか自問自答を繰り返し、日々悩んでいました。今でも指導教員の先生や何時間も悩みを聞いてくださった先輩方には大変感謝しています。おかげさまで、今日に至るまで充実した日々を送ることができています。 来年度は5か月間在外研究をする予定で、様々な研究者に出会い交流できることを楽しみにしています。新しい経験がたくさんあると思いますが、しっかり吸収し、成長していきたいと思っています。まずは今年度の残り少ない日々を大切に過ごしたいと思います。

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