理窓 2017年1月号
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1717・1 理窓ががんばるんばる同窓同窓高校時代 決して優等生ではありませんでした。英語は赤点、国語も悲惨な点数でした。でも、なぜか数学と物理は得点が取れました。電気工作が好きだったので電気科に進もうと思っていましたが、学級担任の先生(数学)から「東京理科大という大学があるぞ」と教えていただき、その後、なぜか数学科を目指すこととなりました。大学生時代 初めての1人暮らしを経験しました。講義は出るようにして不可にならない程度に勉強をし、社会勉強は力を入れて塾講師のアルバイトをしました。このとき、子どもたちに数学を教える面白さを体験しました。母校で教育実習をしたとき、反応のいい生徒たちの笑顔や先生(数学)のアドバイスなどにより、一層高校教員にやりがいを感じ、新潟県の教員採用選考検査を受検しました。高校教員の現実 平成1年、最初に赴任した学校は工業高校でした。地域でも有名な荒れた学校で、当初の高校教員のイメージとはかけ離れたものでした。初めて学級担任を持ちましたが、入学式以来、生徒たちはいろいろな事件を起こしました。でも3年生になり、就職・進学が決まってから、卒業という目標に向かって生徒たちは勉強し始めました。このとき生徒たちは初めて「分かると面白い」と言ってくれました。発達障がい 平成11年に単位制による定時制高校に異動しました。学級担任を持ったクラスの生徒の約半数が不登校経験者でしたが、生徒たちはちゃんと学校に通って勉強していました。でも、今なら発達障がいと思われる言動が、当時の生徒にはたくさんありました。発達障がいが一般的ではなかった時代、それらの行動は我がままや怠けだと思っていました。 この症状に似た特性を持つ生徒と、10年後に全日制高校で出会います。今は研究が進み、発達障がいが科学的に解明されつつあります。高校においては、授業のユニバーサルデザイン化やスクールカウンセラーとの連携、個別指導計画の策定、さらに平成30年からの通級指導の導入など課題山積です。学習指導要領の改訂 次の改訂では、「教育課程企画特別部会論点整理」において、資質・能力を育成するために、カリキュラム・マネジメントの実現を図ることとアクティブ・ラーニングの視点から授業改善することが両輪であると述べられています。この両輪を如何に動かすか、平成30年からの高大接続、魅力ある学校づくりと合わせて課題山積です。管理職への道 勤務校の教頭(数学)に受検を勧められ、他校の校長や教頭からも多くのアドバイスを頂き、6年掛かってようやく教頭になりました。そして佐渡中等教育学校 教頭2年目の昨年4月に現任校に赴任しました。本校は離島にある中高一貫の中等教育学校で「確かな学力」「豊かな人間性」「郷土を愛し、地域に貢献する態度」の育成を柱としています。スクールカルチャー「能楽」や地元での就業体験、オーストラリア海外研修など行事は多彩です。今は(中学)1,3年生に「技術」を教えています。ダイオードや抵抗のはんだ付け技能は、私が中学時代に電気工作を通じて培ったものでした。そのときの技能がここで役に立つとは思いませんでした。節目に同窓あり 今まで登場した先生方は理窓会の先輩であります。人生の分岐点で先輩のアドバイスは有難いものでした。同窓の皆さんには、多くのことを経験し、自身が体験したことを活かして、次世代を担う子どもたちにアドバイスしてほしいと願います。 (新潟県立佐渡中等教育学校教頭)佐藤 直之(平1理工・数)理科大の在る教員人生

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