理窓 2017年1月号
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16 大学を卒業して、もうすぐ11年になります。サブプライムローンが話題になったり、「脳トレ」「ミクシィ」が流行語になった2006年に卒業しました。現在は金融機関の営業になり、もうすぐ4年が経ちます。 なぜ理科大から金融機関の営業に?と疑問を持つ方も多いと思います。そんな疑問を紐解くところから話をしたいと思います。【大学時代の自分はいかにバカだったのか】 理科大へは一浪して入学しましたが、学業に力を入れたのは全体の50%もあっただろうか。実際のところ、半分以上はサークルとアルバイトに青春を捧げていたように思います。なんという親不孝者だろう。 今思えば、早く大人になりたかった現れなのでしょう。人の役に立ちたい、早く社会の一員として認めてほしいというのが強くあって、外の世界に興味を持ったのかもしれません。IT企業、塾の講師、スーパー銭湯の清掃など、あらゆるアルバイトをやってきました。今でこそインターンという単語が当たり前になっていますが、当時はまだその走り。無意識に、いろんな世界を見ながら、本当にSEになりたいのかを確かめていたのでしょう。【なぜ営業の仕事に】  大学4年になり卒業見込みが出たのでさっそく就職活動を開始しました。結局、私の就職活動はIT企業が中心でした。数理情報科学科(応用数学科)にいるわけだし、子どもの頃から機械に囲まれた生活だったので親しみもあったので内定をもらうために奔走しました。 しかし時々、「本当に機械に囲まれた生活がいいのか?」という疑問が頭をよぎるようになりました。その気持ちに整理がつかないまま、内定を頂いた会社に就職しました。 就職してから何年か経ち落ち着いてくると、ふと「このままでいいのかな」という気持ちが再燃してきました。学生時代にサークルやアルバイトにあけくれた生活を思い出し、比べてしまう。機械が嫌いなわけではないけれど、それ以上に、自分は人と話をするのが好きだということ。自分が作ったシステムを使っているお客様からありがとうと言われたいという気持ちが、次第に大きくなっていきました。そんなときに、今の会社にお声掛け頂き転職を決めました。今では、前職では出会うことすらなかったであろう、たくさんの人たちと交流ができるので、とても楽しい毎日です。【後輩へ】 理科大で勉強している学生は、「将来こういったことをやりたい」という志を持っている人が多いと思います。そんな皆さんにとっては変に聞こえるかもしれませんが、「今後、絶対にやらないだろう経験」をぜひ大学生活中にしてほしいです。そんな時間は取れないと言うかもしれません。だからこそ、社会人になったら経験できないことをしてほしいです。アルバイトでもいいですし、海外旅行でもいいです。はたまた自転車で日本一周でもいい。案外無駄と思えることが、将来良かったなぁと思うときが絶対来ます。そんな経験が自分の苦しいと思ったときに支えになります。 かのアインシュタインもエジソンも、有名になる前は世間から笑われていたものです。それくらいとんがっていたほうが、人生は意外と楽になると私は信じています。これから東京オリンピック開催に向けて、更に様々な人たちが日本に来ます。日本の常識は世界の非常識と言われる時代もそう遠くないと思います。 日本の古き良きわびさびを否定していません。むしろ大事にしつつ、更に昇華するためには個性が必要です。ぜひ学生時代に味わった経験を、私達先輩に話していただければと思います。(アクサ生命保険㈱フィナンシャルプランアドバイザー)ががんばるんばる同窓同窓⑨鈴木 章二(平18理・数情)私が営業をすることになったわけ

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