理窓 2016年10月号
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40 秋の恒例行事となった落語会は、PORTAでの6回目の開催となり、植木キク子委員の司会で始まった。 落語研究会の部員による前座の演目は、神楽家夏野(かぐらやなつの)君による「ぞろぞろ」、珍々亭珍華(ちんちんていちんか)君による「時うどん」。神楽家夏野(理・数1年)君は初々しくもそのレベルの高さに驚いた。珍々亭珍華(理・数2年)君は昨年度に続いての登場で、「時そば」をアレンジして、学生とは思えない演技だった。 桂歌助師匠の演目は、「宮戸川(みやとがわ)」。宮戸川とは現在の隅田川のうち、浅草周辺の流域の旧称で、その下流がいわゆる大川である。 小網町に住む半七は、友人宅で将棋を指していて帰りが遅くなり、家に入れてもらえない。そこに幼なじみのお花が来て、私も友人宅でカルタをして帰りが遅くなり、締め出しを食ったという。半七は締め出しを食らうといつも霊岸島に住む叔父の家に泊めてもらう。お花は私もそこに一晩お世話になりたいという。ところがその叔父は近所でも評判な、早合点をしすぎてしまう人物であった。半七は「叔父にいい仲だと勘違いされると、どうなるか分からない」と断り、一人で行こうとするが、お花は叔父の家までついてきてしまう。案の定、二人は叔父に勘違いをされて、布団が一組しかない二階の部屋へと通される。二人は緊張し理窓会倶楽部運営委員会主催理窓会倶楽部運営委員会主催て離れていたが、雷が大きく鳴り響き、雷におびえるお花は半七の胸元へ飛び込んでしまう。…という「お花半七馴れ初め」の一席でお時間となった。 訪ねて行く時の半七とお花のやり取り、叔父夫婦の勘違いとエロティックなやり取り、二階での若い二人のやり取りなど、歌助師匠のユーモアあふれる迫真の演技に大いに感動した。 歌助師匠は、まくらの部分でも、小話の作り方と工夫について詳しく紹介し、分かりやすい小話を全員に声を出させて演習を行った。落語の世界に触れ、観客が感心したところで、本題に巧みに入ったのである。私たちは丸ごと歌助ワールドに引き込まれてしまった。 懇親会は6階理窓会倶楽部で、西川英一委員の司会で進められた。石神一郎会長の挨拶、森野義男維持会会長の乾杯の音頭により、歓談が始まり、歌助師匠と落研部員を交え、和気あいあいと楽しいひと時を過ごした。宴たけなわのところで松井辰男委員長の中締めとなった。日時 平成28年9月16日(金) 17時30分~会場 PORTA 7階 第2会議室第9回第9回 落語会落語会司会 植木キク子委員司会 植木キク子委員懇親会懇親会桂歌助師匠桂歌助師匠神楽家夏野君神楽家夏野君珍々亭珍華君珍々亭珍華君

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