理窓 2016年10月号
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16・10 理窓29認テスト&振り返り15分という流れが合っていると感じました。この授業スタイルで最も特徴的なのは問題演習です。近くの人に質問しても良い、解き終わっている人のところまで立ち歩いて質問に行っても良い、その代わりに最後の確認テストで全員満点を取る、というルールで演習をさせています。私が一方的に教えるよりも、生徒同士が教え合う方が学習の定着化を図ることができるからです。私に質問をしてくる生徒もいますが、「この問題は○○さんが解けているよ!」と教えるだけで、基本的に問題の解説はしません。生徒が演習している間の私の仕事は、教室中を歩き回り、ひとりぼっちの生徒や、授業に関係ない話をしている生徒に「確認テスト、満点取れそう?」と声をかけることです。教壇を降り教室中を歩き回ることで、生徒との距離を一気に縮めることもできました。 私の目標は、常に成長し続けるたくましい教師になることです。先輩からはもちろん、生徒からもたくさんのことを吸収し成長していきたいです。東京理科大学理学部第一部数理情報科学科川崎 玉恵(平28理・博数情) 私は平成28年3月に理学研究科数理情報科学専攻博士後期課程を修了し、4月より東京理科大学理学部第一部数理情報科学科に助教として勤務しています。学部の入学から早いもので9年半の月日が流れ,神楽坂キャンパスへと通うことも今年で10年目となりました。 思い返せば私が数理情報科学科の受験を決意したのは、高校3年生の入学願書出願締め切り間際。当時、建築系の学科を志しており、それ以外の学科は見向きもしていなかった私に「この学科合っていると思う」と薦めてくださった恩師の言葉がきっかけでした。中高一貫校に中学校から入学した私を6年間見守ってくださった数学科の教員である恩師は、おそらく誰よりも私の特性を理解されていたのだと思います。ちなみに恩師も本学の卒業生です。入試のときは、まさか自分がこの学科に通うことになるとは思っておらず、かなり気楽に受験した記憶があります。最終的に数学系である本学科に入学することとなり、在学中に出会ったたくさんの先生方、先輩方とのご縁で、数理統計学・多変量解析を専攻する研究室へと進みました。 出身学科であり、現職場でもある理学部第一部数理情報科学科は平成29年度4月から応用数学科へと名称が変更になります。本学科は「統計科学」「計算数学」「情報数理」の3つの柱で数学的な思考を活かし、社会に役立つ応用数学を学ぶことができます。応用数学が網羅しているのは自然科学や情報科学はもちろん、経済や医薬の分野など多岐に渡り、深く学べば学ぶほど、数学がいかに社会の発展に欠かせないものなのかを実感することができると思います。 他の同期たちとは少し違う長い学生生活を終え、ようやく始まった社会人生活もやっと半年。毎日が手探りで生活のペースもまだつかみきれていないのですが、支えてくださるたくさんの人に感謝しながら日々奮闘しております。新たなスタートをきる本学科とともに、初心を忘れることなく、日々着実に精進いたします。

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