理窓 2016年10月号
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26フレッシュマンフレッシュマン株式会社 アーク情報システム山口 崇博(平27理・修数) 理学研究科数学専攻を修了し、アーク情報システムに入社してから1年と半年が経ちました。そんな時に、フレッシュマンの原稿依頼を研究室時代の恩師から頂き、理科大のことを懐かしみながら、この文章を書いています。 アーク情報システムは、ソフトウェアの受託開発とシステム構築、コンサルティングを主な事業としているIT企業です。分野としては、エンドユーザ向け業務システムの構築といった主流なものから、エンジニアリング系ソフトの開発や科学技術計算などのニッチな分野でも事業を展開しています。そんな会社にあって、私は数理解析部という、数値計算技術を活用して構造物の地震応答解析や土木、環境系の熱流体解析を行っている部署に所属しています。入社してからは、OSSを活用した受託流体解析や、発電所から海に排出される温排水の拡散予測解析といった業務に携わっています。現在の具体的な作業は、計算プログラムの簡単な修正やそれに入力するデータの作成などの初歩的なことを担当していますが、いずれは計算プログラムを自分で作りたいと考えています。 この業務では、物理現象への理解とそれを離散的に近似、再現するツールである計算機と数値解析への理解が不可欠です。学生時代にそれらを専門としていなかった私は、現状では著しく能力不足の感があります。幸いにも、定期的に勉強会を開いていただくなどの先輩方の協力があるおかげで、時に四苦八苦しながら、楽しく業務をこなしています。 そんな様子で、日々わからないことと格闘しながらも、何とか業務をやっていけているのは、大学院での研究生活があったからだと考えています。なぜなら、研究の際に学んだ、未知な対象を理解するための様々なアプローチは、業務での問題解決に陰ながら役立っていると思われるからです。この点において、理科大で学べたことは良かったです。また、それを抜きにしても、学友、院生室の先輩、後輩、研究室の指導教員との、議論や雑談などの交流は私にとって貴重なものであり、研究対象であった非線形偏微分方程式に関する安定性の問題を、一日中考えていたあの時間は他に代えがたく価値があるものだったと今では感じています。 これからも、理科大の卒業生として恥じないよう、日々精進したいと思います。(3232)鈴木正次特許事務所所 長 弁理士 涌 井 謙 一副所長 弁理士 山 本 典 弘弁理士 鈴 木 一 永〒160-0022 東京都新宿区新宿6-8-5(新宿山崎ビル202) 電話03(3353)3407(代)FAX03(3359)8340 ホームページ http://www.suzuki-po.net

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