理窓 2016年10月号
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18 数年前、旅行会社アルパインツアーサービスが企画実施している登山教室で、幌尻岳に登った。幌尻岳は日高山脈の主峰であり、日本百名山の一座である。羽田からの飛行機が新千歳空港に着陸、到着ロビーに出迎えてくれた登山インストラクターのMさんは、開口一番「北海道はデッカイドウ」と言って、我々一行を笑わせてくれた。北海道はデッカイのだ。 登山で使う地図は、2万5000分の1地形図が基本。ぼくが登山を始めた頃は、2万5000図が発行されていなくて、5万分の1地形図を使っていた。登山に役立つ地図は地形図のほか20万分の1地勢図、50万分の1地方図がある。我が国は地方図8枚に収められているが、北海道は8枚の内2枚を占めている。ことほど左様に北海道の山はデッカク、魅力的な山は数多い。北海道の山に登ってみませんか。まずはポピュラーな日本百名山から…。 中高年登山者の目標になっている日本百名山は、幌尻岳を含めて9座。北から利尻岳、羅臼岳、斜里岳、阿寒岳、大雪山、トムラウシ、十勝岳、幌尻岳、後方羊蹄山である。 利尻岳は標高1721m、「利尻島はそのまま利尻岳であった」という深田さんの言葉通りの山である。小型の飛行機が札幌と利尻を結んでいるが、稚内からフェリーで向かえば、「利尻島はそのまま利尻岳」が一目瞭然だ。鴛泊コースを往復するのが一般的で、北麓野営場までは車が入る。距離が長いので日帰りで登るためには朝5時には北麓野営場を出発したい。下半は普通の山道だが、上半は足元から崩れていく火山礫の斜面。歩幅を小さくゆっくり足を上げていけば、やがて山頂は足の下にきている。登り6時間、下り4時間。宿に送迎をお願いしておくといい。 羅臼岳は標高1661m、知床連山の最高峰。登山路は羅臼側と岩尾別側と2コースあるが、ここでは岩尾別コースを紹介する。JR釧網本線の知床斜里駅から斜里バスで岩尾別温泉まで入って一泊、翌日未明に出発して日帰りで羅臼岳を往復してくる。山がどこであれ、歩幅を小さくゆっくり足を運んでいくのがバテない登り方の基本だ。羅臼平で山頂に王手、山頂まではひと頑張りである。ぼくと羅臼岳は相性がよくて、毎回晴天に恵まれている。山頂から国後島が見えなかったことはなかった。ゆっくり歩きで登り5時間、下り3時間半。下ったら岩尾別温泉にもう一泊できるように宿が確保できていると、精神的に余裕をもって羅臼岳登山ができる。 斜里岳は標高1547m、知床半島の付け根辺りに位置している。JR釧網本線清里駅からタクシーで清岳荘前まで入る。斜里岳登山口までバスが出ているが、登山口バス停から清岳荘まで歩くと2時間かかる。沢コースと尾根コースがあるが、沢コースが変化に富んでいて楽しく登れる。沢コースを登り、尾根コースを下るのが一般的だ。登り4時間、下り3時間半。 阿寒岳という山はなく、標高1371mの雄阿寒岳と標高1499mの雌阿寒岳の2山がある。釧路空港山は健康の源(25)山は健康の源(25)北海道の山北海道の山岩崎岩崎  元郎元郎

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