理窓 2016年7月号
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4挨拶 理事長の本山でございます。皆様の日頃のご支援を御礼申しあげます。 今日は挨拶というより、理科大のめざす方向の概略についてお話ししたいと思います。 本学の財務状況は、収入を最近の20年という長いスパンで見たとき、80億円増加しています。それに対して、支出は155億円増加しており、75億円の支出超過ということになります。このうち教育研究費の支出については、減価償却費部分を除くと50億円ほど増えています。将来を見通しながら、安定した経営を行うための財務基盤を早期に確立しなければならないと考えています。 したがって、昨年から当面必要のないプロジェクトを中止してまいりました。例を挙げますと、葛飾キャンパスの隣接地の借り上げの中止、多くの混乱を招いたSAP投入の停止、経営学部への大学からの研修契約の中止、Goto Asia計画の中止、UPA留学資格の厳格化による価値のある、目的の沿った留学制度への変更など、多くのプロジェクトの見直しを実施し、結果として、平成28年度の経営計画は事業活動収支の改善が見込めるようになりました。理事会としては、本学の経営基盤の充実を図り、中長期の事業構想の収支を描きながら、ネットキャッシュを確実に積み上げることを基本方針にしたいと思っています。そして、将来にわたる本学の教育研究環境の整備を着実に実行したいと考えております。平成28年度平成28年度理窓会代議員総会理窓会代議員総会来賓挨拶来賓挨拶学校法人 東京理科大学理事長学校法人 東京理科大学理事長本山本山  和夫和夫((4747理工・経)理工・経)学校の方向性 本学は今年で創立135年になりますが、本学は、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学精神に基づき安定した経営基盤を堅持し、研究者や企業人、教員、公務員など社会に貢献する人材を輩出していく使命を持っています。しかし、今後の日本の産業や大学を取り巻く環境については、ますます厳しくなっていくことが予想されています。日本の総人口が減少していく中で、GDP600億円を達成するという経済成長戦略もますますバーが高くなっていると言えます。ちなみに日本のGDPは世界で第3位ですが、国民一人当たりのGDPは第27位になっています。この順位をもっともっと上げて、国民が豊かになっていかなければいけないと思います。日本がさらに豊かになるためには、IoTやAIなどの新しい技術、いわゆるイノベーションを創出する、新産業や起業家を育成・養成することが必要なのではないかと思います。またこうした環境の中で、「日本の理科大から世界の理科大へ」というビジョンを掲げている理科大としては、イノベーションを巻き起こすことのできる人材を輩出することが重要な使命の一つになってきています。本日はこの方向性に沿った考え方の中から3つお話しいたします。 まず1点目は、教育についてですが、これまで本学は「実力主義」を教育の基本方針として有為な学生を数多く輩出してまいりました。2018年以降、日本の18歳人口が減少していくという環境の中で、本学が優秀な人材を育成し、社会の求めに応じた人材を供給していくことが大学発展のた東京理科大学理事長 本山東京理科大学理事長 本山  和夫和夫

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