理窓 2016年7月号
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30ががんばるんばる同窓同窓葉 維英(平6工・修経工)留学中、日本の温かい方々に心から感謝 1988年10月に来日し、最初にJET日本語学校で日本語を学び、一年後に日本語能力試験1級に合格しました。日本語学校を卒業後、学習院大学の数学研究科に入りましたが、私の保証人としてお世話いただき、また理科大の先輩でもあり、私にとっては父親のような存在でもある関さんから「将来中国に帰って役に立つことを勉強しなさい」とアドバイスを受け、理科大経営工学科に進学することにしました。大学院では、昨年他界された片岡洋一先生の熱心なご指導および研究室の方々の温かいサポートにより、経営工学専攻で留学生初の修士号をいただくことができました。 その後、筑波大学大学院博士課程に進みました。私の指導教官である小倉昇教授は休みの日も夜中まで、それこそ寝食を忘れるかのごとく、細かく親切にご指導をしてくださいました。先生への感謝の気持ちは言葉では言い尽くせません。経験は財産なり 大学院修了後、ビジネス環境が未整備であった1994年に上海で起業し、日本の大手文具メーカーの代理店として、中国全土に販売を展開しました。そこでは、大学院での理論だけでなく、実社会における実務的知識の習得が必要と実感したものです。次に取り組んだのが、日本語と人材育成です。日本で学んだことを中国の学生や若い人たちにも学ばせたいという夢をもって、上海平成ビジネススクールと東京アジア学友会を設立し、語学教育や留学および就職支援を行うとともに、大手企業における中国人の人材育成・採用業務の実施・支援を行いました。それらを通して、毎年数多くの教え子たちを母校に進学させることができました。また、日本では上場通信会社の執行役員・営業部長として務めさせていただきました。社内では唯一の外国人である営業の最高責任者として大手取引先との商談交渉に当たりました。ICTが日進月歩で進化している時代にこのような大きな舞台を提供していただき、取引先との交渉などを通して業務の迅速化、正確性の大事さを身をもって痛感させられ、鍛えさせられもしました。さらにファンケルの子会社であるアテニアの中国進出プロジェクトでは、準備段階から関わり、現地法人の董事総経理として、現地法人設立、マーケティング戦略立案から開設まで手掛けました。現在は上海JKグローバルビジネスサービスというコンサルティング会社を経営し、100年の歴史を持つ日東電工の中国子会社、日東(中国)新材料有限公司の顧問として、また360年の歴史がある大木の中国子会社、大木美健貿易有限公司の顧問など大手企業へのコンサル事業をさせていただいております。今まで理科大で学んだ知識や日中に関わるビジネス経験を活かし、日本企業の中国進出支援ならびに進出後のビジネス拡大の支援に力を注いでおります。 これまでの様々なチャレンジの中で、数多くの困難もありましたが、貴重な経験を得ることができました。若き日の経験は、それが成功であれ失敗であれ、無駄なことは何一つとしてありません。すべてが後の人生の糧になります。同窓の輪・同窓の力がより大きなものに 2012年3月に大学のご支援および同窓会の皆様のご協力をいただき、中国で初めての同窓会として上海理窓会を発足させ、現在副会長として務めさせていただいております。上海では、定期的に懇親会を行い、久しぶりに見る懐かしい面々に,気持ちもあの若き青春の日々に戻り,大変賑やかな同窓会となっております。これからも皆様のお力をお借りして、上海理窓会を拡大させていただきたいと考えております。僭越ではございますが、この場をお借りして、皆様に更なるご支援をお願いいたしまして、筆を擱かせていただきます。(上海JKグローバルビジネスサービス)⑦

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