理窓 2016年4月号
8/54

4すが、その研究や技術開発の支えとなるのが、「基礎学力」であることは間違いありません。科学の世界に限らず、他の学問やスポーツの世界でも同様です。基礎なくして応用なし、と言えます。そこで、本学では学生の皆さんの基礎学力充実に資するよう昨年から「理工系の基礎」というオリジナル教科書の発行を始めました。学生が特に大学入学後1、2年の間に、身に付けておくべき基礎的な事項をまとめたシリーズ本です。昨年5月に「機械工学」を刊行して以来、「基礎化学」、「生命科学入門」、「教養化学」を刊行し、今年度も「建築学」を始め5冊を刊行する予定です。これらの教科書は順次、学部の授業で使用されています。4.研究力を一段とアップさせます 理科大ならではの研究を世界レベルで展開し、「日本の理科大」から「世界の理科大」へと発展するため、すでに「東京理科大学 研究戦略中期計画」を定めています。この計画をもとに研究力の観点から国際的に評価される大学としての地位を確立するように努めていきます。具体的な戦略的な研究の推進を考えて、以下の4つのテーマを重点課題として設定しております。○環境・エネルギー ○ものづくり・計測技術○医療・生命科学○農水・食品産学連携・地域連携の強化をはかりつつ、研究推進のための資源の確保、研究支援体制の強化を行っていきます。1.はじめに 大学とは真の実力を身に付けた人材を送り出す教育・研究機関であるべきとの基本方針のもと本学では、創立以来「実力主義」を標榜し、実力を身に付けた学生を世に送り出してきたことにより高い評価を受けてきました。この伝統を守り、本年度の目標として「日本の理科大から世界の理科大へ」を掲げ、我が国の発展を担う人材を育成してきた伝統を基盤にして、世界で通用し、世界から認められる教育力・研究力を持ったグローバルな大学となるような行動をしていきます。2.最近の動き この4月、本学の大きな動きとしましては、経営学部を埼玉県久喜市から神楽坂キャンパスの富士見校舎に移転するとともに、ビジネスエコノミクス学科を新設しました。また、葛飾キャンパスの工学部には情報工学科を新設しました。さらに姉妹大学の山口東京理科大学が地元山陽小野田市の公立大学として独立しました。もちろんこれからも教育や研究で連携を図っていきます。3.基礎学力の充実 科学における発見は我々の知的好奇心の高揚に寄与し、また新たな技術開発は日々の生活の向上や目の前に山積するさまざまな課題解決への道筋を照らしだします。その活動の中心にいる科学者や技術者は、実験や分析、シミュレーションを重ね、仮説を組み立てては壊し、適切なモデルを構築しようと、日々研鑽を繰り返しながら、新たな課題に取り組んでいるわけです。私たち東京理科大学の研究室では先生方を中心に学生の皆さんが卒業研究や大学院での研究を行っていま教育を充実させ、教育を充実させ、    研究を一層活発に研究を一層活発に東京理科大学東京理科大学学長学長  藤嶋 昭藤嶋 昭

元のページ 

page 8

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です