理窓 2016年4月号
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3116・4 理窓を味わうことができていればそれは、初心を忘れずにいられているということなのかもしれません。 さて、この仕事は、一日として同じ日がありません。似た日さえ存在しません。それゆえ、毎日が挑戦・試行錯誤の繰り返しですが、楽しくがんばっております。 私には、思う理想があります。その実現に向け、これからもこの熱意を胸に、日々努めて参りたいと思います。横浜市立谷本中学校教諭 小林 佑司(平27理・数) 私は平成27年4月から横浜市の中学校で個別支援学級の担任を務めています。個別支援学級とは、障がいのある子どもたちを指導するために中学校に設置されている学級のことです。当初は数学科での配属を予想していただけに個別支援学級を任されたことは戸惑いと不安があったのを今でも覚えています。私は個別支援学級についての知識をあまり持っていないため、戸惑いながら入学式を迎えました。しかし、どの生徒も素直で明るい姿を見て安心するとともに担任する楽しみを感じました。 個別支援学級の理念の一つに“自立”があげられます。子どもたちが社会に出てからも自分の力で生活できる力を身につけさせることが担任としての使命です。例えば、授業として洗濯をして服を干し、たたむまでの流れを学びます。また、調理実習も多く取り入れています。当然、各教科の授業もあります。勤務校では、英語、社会や理科といった教科は専門の先生が授業をしてくれます。その間、私たちはTT(ティームティーチング)として子どもたちを支援します。このため、担任は生徒が登校してから下校するまで常に一緒に生活します。その分、子どもたちの特性を細かく把握することにつながります。それが、日頃の指導に生きてくるとともに私自身の勉強にもなっています。個別支援学級でしか学べない貴重な経験をしていると自負しています。 教師になってから子どもと共に笑って過ごすことができて幸せに感じています。しかし、慣れないことが多く、悩みを抱えることも少なくありませんでした。そんなときには同じ個別支援学級の担任の先生方や理科大の友人に相談することで乗り越えてきました。私自身、まだまだ課題があります。それでも、努力を積み重ねて一歩ずつ理想の教師への道を進んでいきたいです。日本大学第一中学・高等学校教諭 須藤 拓実(平27理・数) 私は平成27年3月に理学部数学科を卒業し、4月より日本大学第一中学・高等学校に数学科教諭として勤務しています。日大一高は両国にあり、交通の便が良く、駅からも徒歩5分の距離にあります。この学校に入ってくる生徒の多くは日本大学への進学を希望しており、授業も日大進学クラスと他大進学クラスとに分かれて開かれています。高大連携も盛んに行われており、大学の授業を体験する機会にも恵まれている学校です。 初めのうちは全てが手探りで日々を過ごしていました。よく言われているように、教師の仕事は授業だけではありません。私は入試広報部という部署に勤めています。これは、私立の学校特有の部署です。入試広報部は説明会用の荷物の準備、本校入学を希望している保護者への募集要項やパンフレットの送付、ホームページ更新など様々な仕事があります。説明会が多く開催される夏は、入試広報部の仕事の傍ら、授業を行っていると言っても過言ではありませんでした。しかし、他の先生の協力でようやく仕事にも慣れ、授業にも

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