理窓 2016年4月号
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16・4 理窓29 新社会人の皆様は学生生活を終了され、これから始まる新生活に向けて大いなる期待と少しの不安を抱いておられるのではないでしょうか? 私も16年前の春、皆さんと同じように不安と期待の混じった気持ちで社会人としての第一歩を踏み出したなと、改めて思い返し懐かしい気持ちになっております。 これから新たな世界で活躍をされる皆様に私なりに感じてきた、組織の中で活躍するにあたって大切だと思われることをお伝えさせて頂ければと思います。新しい社会で様々な場面で悩みを抱えられる時があると思いますが、その様な時に思い出していただければ幸いです。チャレンジ精神を忘れずに 私は平成12年3月に東京理科大学大学院理学研究科化学専攻修士課程を卒業いたしました。同級生の多くは医薬、化学系企業の研究職として、社会人としてのキャリアを踏み出していきましたが、私は外資系化学メーカーの営業職として自分のキャリアをスタートさせました。当時の指導教官に就職先の報告をした際に修士課程まで修了してどうして営業職なんだ?と少しあきれたような顔で質問をされたことを覚えております。私の場合は最終的に家業(現在の会社)の経営を手伝いたいと思っており、営業職としての経験を積んでおきたいと考え就職活動をしていたという事情がありましたので、最終的には納得してもらう事ができました。 一般に理科大では多くの方が理系の学部、学科の専攻を修了しその後は研究系の職種を志されると思います。ただ、入社後しばらくすると会社の都合等もあり、文系職への転向をしなければならない時もあると思います。その様な時に新たなチャレンジとして文系職を経験すると理系職では経験できなかったようなことが経験でき、結果的に社会人としての幅が大いに広がる事になると思います。与えられた仕事で結果を出すことで理系職に戻ることもできるでしょうし、新しい世界でキャリア形成していくことも可能になります。理系の人はいつでも理系に戻れるという強みがあるというように考えて、一つの世界に固執せずチャレンジ精神をもって様々な世界に飛び込んで行ってもらいたいと思います。できる理由を考えよう もう一つ、会社などの組織に所属すると今まで誰もやったことがないようなミッションを与えられることもでてくると思います。その際に長く組織に所属しているとその組織の常識のみを考えて、できない理由から考えてしまう傾向に陥ることがあります。先輩、上司にできないと言われるとしょうがないとは思うのですが、若い皆様にはできない理由を考える前に、どうすればできるのかを考えて欲しいと思います。企業などを取り巻く環境はものすごいスピードで変化しております。これからの時代を力強く生き抜いていくためには過去の経験だけにとらわれるのではなく、新しい未知の世界、プロセスを積極的に経験し、人とは違う経験をたくさんしている事が大事になってくると思います。誰もやったことがない事を実行するには様々な苦労があるでしょう、失敗することもあるでしょう。ただ、組織の中で失敗が許されるのも若いうちだと思って、難しい事にチャレンジしていってください、間違いなくその経験は皆様にとって有意義なものになるはずです。 社会人になると学生時代のように仲のいい友達とだけ遊ぶという事ができなくなります。上司、先輩、顧客、取引先など、年齢、立場が異なる人たちと日々接していく事になります。最初は慣れない事で大変でしょうが、面倒くさがらず声をかけてもらえるうちが華と思って積極的に人脈を広げる努力をしていってください。将来必ず役に立つ時が来るはずです。 まとまりのない文章になってしまいましたが、新社会人の皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げております。日本化学工業株式会社代表取締役兼専務執行役員棚橋 洋太(平11理・化)常にチャレンジ精神を常にチャレンジ精神を

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