理窓 2016年4月号
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15・10 理窓15いってよい。中山峠の東下にしらびそ小屋があり、雨池峠の西に縞枯山荘、北横岳の手前に北横岳ヒュッテがある。北横岳から大岳を越えて下った東側には双子池、西側には亀甲池がある。北西に登り返して双子山、下って大河原峠。西に登り主稜線が南西に向きを変えた先に蓼科山がある。 ぼくが現役の頃、登山は、岩登りや沢登り、雪山登山というハードなものであって、赤岳、阿弥陀岳の岩稜、横岳西面の岩場を擁する八ヶ岳がメインテーマであった。北八ヶ岳はハイキングの山とみなされていた。八ヶ岳とその北に従属する北八ヶ岳という関係だったのだ。1980年代になると気鋭のクライマーが登山界から姿を消し、中高年登山者が登山界の主流になった。ここに八ヶ岳と北八ヶ岳との関心度が逆転した。八ヶ岳を「南八ヶ岳」と呼ぶ人たちが登場する理由がそこにある。そんな登山史もふまえて、北横岳に登ってみませんか。りの頂上小屋がある。西に目をやれば、左へと南稜を落とす阿弥陀岳がスックと聳え立つ。 ひと下りすると赤岳天望荘が立っている。西へ地蔵尾根を派生する地蔵の頭を越えると、二十三夜峰、日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰、奥ノ院、台座ノ頭へと横岳の峰々が連なる。三叉峰からは東に杣添尾根を派生。標高2829mの奥ノ院が主峰になる。岩場が連なる横岳の通過はクサリ頼り。NHK教育テレビ番組「中高年のための登山学」でもここを取り上げた。岩場の通過は三点確保が大原則。怖がってはいけない。ということで、ぼくに続くメンバーに「サンテンカクホ、コワクナイ、サンテンカクホ、コワクナイ」と声を出しながら岩場を通過してもらったところ、それがそのまま放映され、「三点確保、怖くない」は一時登山界の流行語になった。二十年前の話になる。 横岳を通過して下れば、硫黄岳山荘。登り返せばだだっ広い硫黄岳山頂だ。下れば夏沢峠、ここまでが八ヶ岳。この先は北八ヶ岳の山域になる。峠から箕冠山、根石岳と越えた先が天狗岳、主稜線上の尖峰は東天狗、西側に三角点のある西天狗の丸いピークがある。下って中山峠、すぐ西に黒百合平があり黒百合ヒュッテが建つ。峠からひと登りしたところで山稜は二分、北東に分岐する尾根はニュウへ伸びる。主稜は中山を越え高見石小屋にむかう。小屋の裏手に展望台のような高見石がある。北東に下れば人気の白駒池がある。主稜は国道299号線が越える麦草峠だ。 峠から茶臼山、縞枯山、雨池峠、三ッ岳、北横岳と連なるこの辺りが北八ヶ岳のメインエリアと岩いわ崎さき元もと郎お  1945年3月、東京大井町に生まれる。東京理科大学中退。63年から69年まで昭和山岳会に在籍、登山の基本を学ぶ。 無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会理事長。 ホームページ www.iwasaki-motoo.com問合せ先 無名山塾 〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-53-8 TEL 03(3942)0087  FAX 03(3942)0392鈴木正次特許事務所所 長 弁理士 涌 井 謙 一副所長 弁理士 山 本 典 弘弁理士 鈴 木 一 永〒160-0022 東京都新宿区新宿1-10-3(太田紙興新宿ビル9階) 電話03(3353)3407(代)FAX03(3359)8340 ホームページ http://www.suzuki-po.net

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