理窓 2016年4月号
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716・4 理窓 また、本年3月からはMIT(マサチューセッツ工科大学)スローン経営大学院のマイケル・クスマノ教授に本学特任副学長に就任していただきました。クスマノ先生は、ハイテク産業の分野において世界中の主要企業のコンサルタントや取締役なども務める斯界の権威であり、その豊かな経験と高い見識をもとに、さらなる経営学部の発展に助言をいただきます。新・経営学部の講義ではMITスタイルを取り入れており、例えば新校舎の教室では、一部の教室で机の配置を従来のような横並びではなく、U字型に配置することにより教員と学生の「対話」を意識した構造とするなど、新しい要素を取り入れています。  工学部においても「情報工学科」が新しくスタートします。これまでの情報工学というと、情報処理の性能などの向上に取り組んできましたが、世界中で大きな変革がある中、情報をいかに社会のしくみに生かしていくかという、「ソフトウェア」の考え方がより重要になってきています。工学系学科が集まる葛飾キャンパスに拠点を置き、他の工学分野から刺激を受けつつ、ネットワーク技術とソフトウェア技術を融合した新しい情報工学を目指していきます。 私も1972年に理工学部を卒業してから40年以上が経ち、母校の良さを改めてしみじみと感じる昨今です。最近では、学生時代の仲間たちと同窓会を開くことも多くなりました。かつて紅顔の青年たちも、いまや白髪の者たちばかりですが、ひとたび集まれば、気持ちは当時のままです。卒業後、皆それぞれの道を進んできましたが、その根っこには東京理科大学で過ごした日々があります。 このたび本学HPに、卒業生向け特設WEBコンテンツ「理科大思い出アルバム」を開設いたしました。このサイトでは、講義や実験の様子、イベントやキャンパス風景など、本学で保管している貴重な各時代の写真を取り上げ、誰でも閲覧することができます。本学での思い出を、アルバムをめくるように楽しんでいただきながら、同級生や先輩、恩師との交流を深めるきっかけとしていただきたいと思います。同窓各位から写真を投稿していただくことも可能ですので、皆様からのご投稿により、さらに交流促進の場になることを願っています。懐かしい校舎風景、学生ファッションなど、一枚の写真を見ているだけで本当に多くの思い出が浮かんできます。 昨年の理事長就任以来、全国各地の理窓会にお招きいただきました。多くの同窓の皆様と直接触れ合う中で、改めて感じたのは母校のありがたさです。同じ大学で学んだというだけで、言い知れぬ一体感があります。「単位を取るのが大変だった」「今でも実験の時の感動は忘れられない」という些細な思い出にも、心から共感できるというのは、実にありがたいことだと思います。理事長に就任し改めて母校の様子を見つめ直したとき、やはりそこにはかつての理科大があり、研究・教育・学生生活における伝統は脈々と受け継がれていることを実感します。  昨年度の卒業生も、多くの企業・官公庁などに就職しました。本学の伝統が社会から信頼され、各界の最前線で本学卒業生が求められていることに、改めて強く誇りを感じるところです。このような本学の伝統を守り、さらに発展できるよう、本年度も尽力する覚悟を新たにしております。 同窓各位におかれましては、引き続き、本学にお力添えをいただけますようお願い申し上げます。各地の理窓会にご参加いただくほか、ホームカミングデーにお越しいただく、また、各キャンパスに遊びに来ていただくだけでも構いません。同窓各位と手と手を取り合ってこそ、本学の真の発展があると信じておりますので、今後とも、皆さまのご見識・ご経験からご助言を拝聴し、まい進してまいります。 末筆ながら、同窓各位のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。

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