理窓 2016年4月号
10/54

6 春の日和に身も心も浮き立つ候、理窓会の皆様におかれましては、ますますのご隆盛のこととお慶び申し上げます。国内外ともに様々な変革が求められている現在、大学における研究・教育の重要性は増しており、本学が果たすべき責務もますます大きくなってきています。そのような中、つつがなく新年度のスタートを切ることができたのも、理窓会各位のご支援の賜物と改めて感謝しております。新年度の始まりにあたり、法人を代表いたしまして、ごあいさつ申し上げます。 昨年度を振り返りますと、本学にとって契機となる一年だったと改めて実感いたします。中でも同窓である大村智先生のノーベル生理学・医学賞の受賞は、国内私立大学出身者としては史上初の快挙であり、本学にとっても大変励みになる朗報でした。同窓生の活躍は、本学にとって大変喜ばしいことです。 葛飾キャンパスのキャンパスモールには、ヨハネス・グーテンベルク(1455年活版印刷技術の発明)から山中伸弥博士(2006年iPS細胞の作製成功)にまで至る、科学史上輝かしい功績を残された先人の名を刻んだ銘板が埋め込まれています。その中に今回、新たに大村智先生のお名前を刻むことになりました。大村先生の業績を末永く歴史に刻むとともに、本学学生の目標・励みになることを期待しています。また、大村先生からは多額の寄付をいただいており、本学ではこれからの研究・教育の発展に活用させていただくことで、大村先生の想いに応えてまいりたいと思っております。 また昨年度、世間を賑わせた科学の話題には「113番元素」の発見があります。昨年末、理化学研究所の森田浩介九州大学大学院教授の研究グループが発見した「113番元素」が、国際機関に新元素であると認定され、欧米諸国以外の研究グループとして初めて日本に命名権が与えられました。この発見には、当時理工学研究科物理学専攻に在籍していた学生が研究グループの一員として、偉業に貢献しています。本学では、学生が各研究機関において研究指導を受けることができる「連携大学院」の制度があり、今回、この制度を利用して理化学研究所で研究に励まれていたということです。学生のうちから世界の最前線の研究に従事できることはもちろん、科学史に残る功績に貢献できることは、学生の日々の努力の賜物であると思います。本学学生の努力に改めて感じ入る嬉しいニュースでした。 今年度より学校法人東京理科大学は、新しい一歩を踏み出すことになります。 4月1日より山口東京理科大学が公立化し、山陽小野田市立山口東京理科大学として新しくスタートしました。1987年に山口の地で開学してから約30年、新しい舞台に立つことになります。東京理科大学の研究・教育の質を引き継ぎ、地域全体のニーズを把握できる行政の強みを取り入れることにより、地域により根ざした大学になることを願っています。また、公立大学に移行した後も、本学とは研究・教育での連携を継続する予定です。 同じく4月より、東京理科大学の経営学部も新しいスタートを切りました。既設の経営学科の定員を240名から320名に増員し、新たに定員160名の「ビジネスエコノミクス学科」を開設いたしました。同時に、長年お世話になった久喜の地を後にし、神楽坂キャンパス富士見校舎にて新学期を迎えました。国内外の企業が集積する都心への移転によって、企業との交流、経済や文化などの最新の情報を手に入れ、東京の街を学びの場として、経営を考えてもらうことを目指しています。理事長挨拶理事長挨拶 理窓会の皆様へ 理窓会の皆様へ学校法人東京理科大学学校法人東京理科大学  理事長理事長  本山本山  和夫和夫

元のページ 

page 10

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です