理窓 2016年1月号
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16・1 理窓15 第8回を迎えた数学・授業の達人大賞は、東京理科大学数学教育研究所が主催し、東京理科大学大学院科学教育研究科、東京理科大学理窓会、東京理科大学数学教育研究会が共催し、ホームカミングデーで、その表彰式が行われた。これは小・中・高等学校において、意欲的な研究や、創造あふれる指導により、優れた授業を実践した数学科の教員を顕彰するものである。今回は以下の最優秀賞2組、優秀賞2組が選ばれた。最優秀賞 横浜市立神奈川中学校 藤原 大樹 先生 授業タイトル「リレーのバトンパス」 愛知県立津島高等学校 山田  潤 先生 授業タイトル「三角形の五心」優秀賞 文京区立昭和小学校 沖野谷英貞 先生 授業タイトル「カステラ、どうわける?」 芝浦工業大学柏中学高等学校 古宇田大介 先生 授業タイトル「円と直線(円の接線)」 表彰式は、まず、清水克彦部門長の開式の挨拶で始まり、山本誠東京理科大学副学長からご祝辞を賜り、その後部門長から受賞者への賞状、賞金、記念品等の授与、続いて秋山仁センター長から講評があった。山本副学長の祝辞、秋山先生の講評を要約すると以下の通りである。山本副学長 受賞おめでとうございます。第8回を迎える中、年々応募者が増加し、賞を取ることが難しくなってきており、大変喜ばしく思います。日本の教育は、先生が生徒に知識を与えるということから、生徒自らで考えさせる、という転換期になっている。本受賞者の方々のような授業が日本全国の先生方に普及するように、これからも活躍してほしい。秋山センター長 本日は受賞おめでとうございます。今回はレベルの高いものであった。藤原先生はボルトなどを登場させ、生徒の興味を引いている。リレーを例にしてバトンの受け渡しについて渡す人、もらう人に対してその速度を2次関数で近似。先生がナビゲータに徹して教えず、考えさせることを積極的に行っていた。生徒自らが考える授業を行っていた藤原先生の授業が非常に良い。山田先生は昔から扱われてきた三角形の五心の話であるが、後ろからのカメラでも生徒が熱心に聴いているのがよくわかる。Grapes を使った五心の表現は非常にダイナミックであった。沖野谷先生の授業では(高校生になると手を挙げる人など絶滅しかけている中)生徒が活発に手を挙げ、嬉嬉として答えている。図を利用して式に対応させて解かせているのが良い。生徒たちの意見を各ステップで聞いているのが良い。古宇田先生の反転授業(Web 上に授業を公開し、それを生徒が見てから授業に臨む)では、生徒たちが考えることを主体としている。4人1組になって生徒同士で教えあう授業。先生一人では大変だが、班別によってそのことが解消されていた。一つの問題を深く考えさせるといういい授業である。 最後に、最優秀賞受賞者2名による模擬授業が行われ、閉式となった。   (文責 岡田紀夫)会場 講義棟1階102教室会場 講義棟1階102教室    時間 13:30~15:10時間 13:30~15:10藤原先生藤原先生山田先生山田先生

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