理窓 2015年10月号
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15・10 理窓37名でしたが30名受験者がいたことを思い出します。高等工業出身者や文検といわれた文部省の中等学校数学科教員免許をとられた方々です。東北大の卒業は終戦(昭和20年8月)の年の9月でした。22 1年次の微積分は平川仲五郎先生(1888~1987、元理事長)で、諸公式などが中心でしたが独特の口調がありました。2年次になって再び微積分は実数論から黒須康之介先生(1893~1970)の講義があり、数学の本質はここからだと感じたものです。矢野健太郎先生(1912~1993)は留学から帰られたばかりで30才位でしたが半紙大何枚か綴じた原稿をめくりながら射影幾何の講義でした。渡辺孫一郎先生(1885~1955)はチョークをl、2本もってこられるだけで前回の講義の終わりに続く数式を記号も違えず書かれていたのが印象に残ります。微分幾何でした。また確率・統計では成実清松先生(1895~1977)が陸軍士官学校から軍服のまま汗をぬぐいながら出講された姿がありました。33 「東京物理学校雑誌」という同窓会を目標とした殆ど月刊と思われる雑誌が創立時代から発行されていました。本「理窓」の前身かもしれません。在学中私は見たことがなかったと思いますが、学術論文も多く、初期の頃には縦書きの中に横にしてみる数式が印刷されたりしています。 和算に関する記事・論文も多く、この方面の大家といわれる三上義夫先生(1875~1950)は晩年本校の教授となられましたが、私は講義に出席したことがありませんでした。和服の端正なお姿は何回か拝見しました。他の和算関係のものも多く掲載されており、まとめてみたいと考えていますが未だ実現していません。どなたかお願いしたいものです。測量実習測量実習神楽坂神楽坂

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