理窓 2015年10月号
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14・10 理窓33の後Azureは飛び出しましたが、Azureは空を舞うことはできませんでした。飛び出し時のミスにより、Azureは性能を発揮することはなく琵琶湖に落ちてしまいました。その一部始終を見ていた私は、少しの間放心状態となり、ただ10m下の機体を見つめることしかできませんでした。飛行記録が発表されましたが、その記録すら覚えていませんでした。プラットフォームから降りてパイロットを迎えに行き、その姿を見た時に自然と涙が出てきて、我に戻ったことだけはしっかりと覚えています。目標とはほど遠い結果になり、同級生だけなく、後輩たちが流した涙だけは、今でも忘れられません。こうして、今年の鳥科の夏が終わりました。《最後に》 鳥科だけではなく、鳥人間コンテストに出場するどのチームも年一回の大会のために全力で取り組み、記録を伸ばすための努力を怠りません。残念ながら書類審査に落ち大会に出場できなかったチームも同様です。鳥科部員の何人かは、特に各班長や設計者は大学の勉強よりも鳥科に費やした時間の方が多いのではないかと思います。休日や自分たちの時間などを削り、疲労した身体でも作業場に来て一緒に飛行機を製作した仲間達には本当に感謝しています。 また、鳥科は学生支援課・警備員・清掃員・理窓会・こうよう会の皆様など、多くの方々のご協力があって成り立っています。この場をお借りして、感謝の気持ちを述べさせていただきます。本当にありがとうございました。近に「Azure」(機体名)が完成したときには、鳥科内が歓喜で満ちあふれました。《鳥人間コンテスト本番》 鳥科にとっての大会は木曜日の朝から始まりました。理科大ではこの日から前期試験が始まるため、少しでもテスト勉強をしないと単位が危ないのですが、それどころではありませんでした。次のテストの合間の休憩時間中に業者の方々と連絡を取り合っては、機体や荷物をトラックに詰め込み、やっとのことでトラックを琵琶湖に向け出発させました。しかし、安心している余裕は無く、金曜日の朝方から夕方まで琵琶湖でパイロットの安全確認や機体の安全審査などが行われるため、金曜日にテストがない部員はそのまま琵琶湖に前乗りしました。金曜日には朝から様々な問題が起こりましたが無事審査などを終え、テストが終わった人たちも続々と琵琶湖へ到着し、夜には大会に向けて最終調整や確認を行い、次の日に備えました。 2015年7月25日の大会当日、非常に暑く風が安定しない日となりましたが、雨は降らず無事大会が行われました。朝6時にチームミーティングを行い、その後はひたすら機体をプラットフォーム上まで運んでいきました。他のチームが続々と飛んでいましたが、見ている余裕などなく、自分たちの機体を見守っていました。何時間もかけてようやくプラットフォーム上に登って飛行準備をしている時、私の中には緊張感や期待感、高揚感など様々な気持ちが湧き出ていました。その中ついに迎えたAzureの飛び出しの時、「Gate Open」の掛け声大会後の集合写真大会後の集合写真今年度 パイロット今年度 パイロット兼 設計主任 黒滝健治兼 設計主任 黒滝健治平成27年度執行代 集合写真平成27年度執行代 集合写真トラックへの詰込作業トラックへの詰込作業左が田中寛人左が田中寛人プラットフォームへの機体運搬プラットフォームへの機体運搬

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