理窓 2015年10月号
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32 鳥科は毎年7月下旬に琵琶湖にて開催されている讀賣テレビ主催「鳥人間コンテスト選手権大会」の滑空機部門に出場して、より良い飛行距離を出すことを目的に2004年に発足され、2013年から葛飾キャンパス体育館棟にある教室を拠点として活動しているサークルです。 さて、「鳥人間」と聞けば、多くの方が飛行機に乗ったパイロットがペダルを漕いで飛んでいる姿を思い浮かべるかもしれませんが、毎年鳥科が出場している滑空機部門はそのイメージと大きく異なります。滑空機部門とは、パイロットがペダルを漕ぐのではなく、10mの高さから飛行機をパイロットと補助者3人の計4人が出す初速だけで離陸させ、自然の力だけでどこまで飛べるのかを競う部門です。それゆえ、滑空機部門では、機体の性能やパイロットの操縦技術、飛行する際の風の状況などによって結果が大きく変わってしまいます。よって、滑空機部門で高記録を狙うには、これらの条件を十分に満たすことが必要なのです。 そのため、鳥科は約10年間、この滑空機部門で高記録を出すために日々研究や製作を行ってきました。理科大には航空学科が無いため飛行機のことについて専門的に教えてもらえるようなことはなく、飛行機を飛ばすために必要な飛行機の設計や製作技術、知識などそのすべてを独学で学び、他のチームと意見・技術交換するなどして、徐々に力を付けてきました。《学生新記録400mを目指して》 「400m飛んで学生新記録」を狙う。それが今年の目標でした。この大きな目標を達成するため、鳥科は4班(主翼班、接合班、コックピット班、尾翼班)に別れ、設計主任の下、昨年の夏休み初日から今年の大会に向けて動き出しました。 まず、昨年の8月から今年の1月までの約半年間は、大会本番用機体製作前の試作期間としました。鳥科は学生チームということもあり、資金や時間が少なく出来ることは限られていますが、設計者の考え通りの飛行機になるように各班出来ることを見つけ、新技術や新知識を身に付けてきました。 2月は鳥人間コンテスト出場への一次審査である書類審査に合格するために朝から晩までひたすら書類を書き続ける日々となり、チーム一丸となってチームの説明書類や機体の設計図などの書類を仕上げました。3月末に合格発表がされた時には、鳥科内にあった不安感が安堵感へ変わると同時に、目標達成への強い意志が改めて私たちを奮い立たせました。 3月から大会間近まで、地獄といえるような本番機製作の日々でした。春休みはほぼ毎日作業し、4月以降は、平日は授業前の時間や授業後から夜遅くまで、休日はほぼ朝から晩までの作業やテストフライト(機体の揚力発生確認試験やパイロットの乗り込み練習)をするため、休憩している時間はほとんどありません。ようやく7月の大会間鳥人間鳥人間コンテストコンテストにに参加参加してして東京理科大学鳥人間サークル東京理科大学鳥人間サークル--鳥科鳥科平成27年度代表 平成27年度代表 田中 寛人田中 寛人Azure完成Azure完成書類合格発表日書類合格発表日パイロットの乗り込み練習パイロットの乗り込み練習

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