理窓 2015年10月号
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15・10 理窓17冬に一回、必ず泊まったものだ。小屋には橋本さんと佐藤さんという管理人がいらっしゃって、登山者の面倒をみてくださった。夕食後のひととき、橋本さんがハーモニカを吹いてみんなで唄ったことを楽しく思い出す(写真参照)。佐藤さんはケーナを吹いて、しっとりとした山小屋の夜を演出してくれた。ぼくも70歳になってしまったように、お二人とも定年を迎えられてとうに山を下っている、ちょっと残念。 翌朝はゆっくりした時間にくろがね小屋を出る。勢至平を経由して1時間半、奥岳に下る。 1日目が天気悪かったら、逆コースにしたらいい。奥岳から勢至平を経由して、くろがね小屋まで2時間、2日目くろがね小屋から牛の背経由山頂まで1時間10分、山頂からゴンドラ山頂駅まで下り1時間。日帰り可のコースを、1泊2日で計画すると本当にゆっくりのんびり山歩きを楽しめる。はない。どうしたかというと、手にしている杖を背負子の下の桟にあてがい、負荷を杖に預けて休憩した。(杖を)一本立てているのである。このことから「一本立てる」が「休憩する」こととなった。 ぼくがパーティをリードするときは、たいていの場合50分歩いて10分休憩するようにしている。急坂や歩き難い道では、40分歩いて10分休憩することもあるし、30分歩いて5分休憩ということもある。何分歩いて何分休憩するかは、ときどきの状況によって変わっていいが、要は規則正しく歩くこと。40分歩いて10分休憩、次は1時間歩いて10分休憩、次は30分歩いて5分休憩などという不規則な行動はメンバーをバテさせる。 仙女平分岐からは樹林がなくなって視界も広がる。コースはよく整備されていて歩き易いが、次第に急登になってくる。分岐から40分、登り切ったところに「安達太良山山頂」という標柱が立っているが、その上の岩塔が本当の頂上である(写真参照)。この山はたおやかだから遠望すると乳房のように見え、その岩塔が乳首のように見えるのである。冬姿が特別にいい(写真参照)。その岩塔に立つにはちょっとした岩登りになるので、岩登りの基本、三点確保を念頭に慎重に登って頂きたい。 山頂から牛の背を経由して1時間、くろがね小屋に下って一泊したい。安達太良山の中腹にある、登山者のオアシスだ。小屋には温泉があって、登山者にチョー人気の山小屋である。土曜日に宿泊を希望するなら、2、3ヶ月前に宿泊予約を入れる必要がある。無名山塾全盛時代には、夏に一回、岩いわ崎さき元もと郎お  1945年3月、東京大井町に生まれる。東京理科大学中退。63年から69年まで昭和山岳会に在籍、登山の基本を学ぶ。 無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会理事長。 ホームページ www.iwasaki-motoo.com問合せ先 無名山塾 〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-53-8 TEL 03(3942)0087  FAX 03(3942)0392鈴木正次特許事務所所 長 弁理士 涌 井 謙 一副所長 弁理士 山 本 典 弘弁理士 鈴 木 一 永〒160-0022 東京都新宿区新宿1-10-3(太田紙興新宿ビル9階) 電話03(3353)3407(代)FAX03(3359)8340 ホームページ http://www.suzuki-po.net

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