理窓 2015年10月号
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12 2013年10月に開設された“理科大学数学体験館”は大変盛況で、現在まで約2万5千人の方々が来館されました。そこで、数学体験館の近況や新しい企画について、理窓会の皆様にお伝えしましょう。1. 数学体験館はこんな空間でありたい 私たちは、この体験館を運営していくに際し、常に心にとめていることがあります。それは「不思議を体験することこそが科学の源泉であり、イマジネーションこそが数学研究の原動力である」ということです。2人の偉大な科学者の次の言葉は、その重要性を訴えています。 “The most beautiful thing we can experience is the mystery. It is the source of all true art and science ” (Albert Einstein) .“The morning power of mathematical invention is not reasoning but imagination”(Augustus de Morgan) . すなわち、私たちの目指す数学体験館は、考えることの面白さが体感できる知のパラダイスです。だから体験館に行くと、なぜか不思議なことが発見でき、「なぜだろう、条件を変えたらどうなるんだろう?」と思案する。次第に不思議の心は膨らんでいく。見て、触って、動かして、作って、実験してと五感を総動員しながら試行錯誤をくり返す。ある瞬間、その謎が解け、膝を叩いてナルホド・納得し合点がいく。“なんだ、そうだったのか”と気づきや発見の醍醐味を味わう。 来館者にこうなっていただくため、この体験館は一般の科学館や博物館とは異なるハンズ・オン型の体験型広場にしました。ここでは、来館者のニーズがあれば、インストラクターが上手に難解な理論を説明してくれます。しかし、もっと素晴らしいことは、自分で試して納得できるような環境にしてあることです。そして、さらに、自分で新たな不思議を見つけ、その不思議のカラクリを想像し、遂には自分自身で解明する喜びを体感する空間になるようにスタッフ一同、目指しています。2. こんな素敵な作品を制作しました 感動してこその数学体験館です。リピーターになっていただくために、精力的に独創的な新規作品を制作し、展示しています。(a) 最速降下曲線滑り台のミニチュア版 各滑り台の最高地点からボールを同時に転がすと、どのボールが一番早く地面に到達するのかを実験する装置です。数学体験館に設置してある最速降下曲線滑り台は、長さ300cm、高さ180cmあります。最新作のミニチュア版は長さ80cm、高さ42cmの大きさなので出張展示などで使用する場合に移動が容易になりました。到着順に旗が立つ点が見どころです。~世界に類を見ない知の遊戯空間を目指して~~世界に類を見ない知の遊戯空間を目指して~数学体験館館長数学体験館館長秋山秋山  仁仁数学体験館(学務部学務課)数学体験館(学務部学務課)山口山口  康之康之数学体験館数学体験館にに来たれ来たれ(2)(2)

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