理窓 2015年10月号
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関連団体通信関連団体通信10理窓知的財産クラブ会長 産形 和央 今年改正された特許法の中で企業、大学、研究者などにとって重要なものとして職務発明についてのものがあります。企業の知財部などの人と話していると誤解している部分がありますので、改めて認識しなおす必要があります。 今次の改正の施行は、来年の4月と考えられていますが、この改正特許法が施行された時点で、みなさんの企業・大学などでの職務発明制度は、3つの体系に分かれます。①は旧来の制度、すなわち、平成16年改正前の特許法に基づく職務発明制度、②は平成16年改正法に基づく職務発明制度、③は平成27年改正法に基づく職務発明制度です。 今次の改正法で、注意していただきたいのは、職務発明制度の基本は、あくまで、特許を受ける権利の原始的帰属は、発明者であって、企業や大学ではないという点です。ただ、就業規則や発明規程などで、企業や大学が特許を受ける権利を原始的に取得すると規定した場合にはそうなるということであって、何も措置しない場合には①や②のままとなります。企業や大学が特許を受ける権利を原始的に取得できるといっても、労働組合などと協議すること、社員に開示すること、さらに報奨内容について社員から意見を聴取することの3つの手続要件が企業に求められるとされています。この点の手続きについては、法律的な拘束力はないものの社内手続きについての指針を特許庁が審議会の意見を聴取したうえで公表することになっています。 この職務発明制度での対象は、単に研究者や一般従業員などを対象とするものではなく、特許法でいう従業者等という場合には、企業でいえば、会長、社長、執行役員、研究所長、部長、課長など会社で働く者の全部を対象とする、あるいは意味するものですから、単に課長や部長が部内で課内で説明すればことが済むような問題ではありません。社長など役員、部課長など管理職さらには一般職員を含めた全社一丸となった対応や意見聴取などが求められることになると思います。大学や企業などと共同研究をする場合には、相手がどのような職務発明制度、つまり上記①②③のうちのどれをとっているかを確認しないと後でとんでもないことになる場合がありますし、技術流出や企業秘密漏えいなどとも直接関係して対応がとれなくなることもあります。ご注意ください。会長 宮川 公治【数学と音楽を楽しむ会】 2015年7月8日、アグネスホテルにて、『数学と音楽を楽しむ会』を開催しました。当会理事の秋山 仁先生が講演をし、次に大山平一郎氏と対談。演奏は全て曲の解説付きで分かりやすく、深く音楽を楽しむことができました。アンコール曲は理科大の校歌で大好評でした。【ビジネス交流懇親会】 毎月(1月・8月は除く)第3火曜の19時から、理窓会倶楽部にて、ビジネス交流懇親会を開催しています。入会をご検討中の方もぜひご参加ください。ベテランと若手が混ざり和やかな雰囲気の中で情報交換ができます。また、資料など配布し会社PRもできます。【今後の予定】・10月20日(火) 理事会/ビジネス交流懇親会・10月25日(日) ホームカミングデー・10月31日(土) 出発 高野山旅行・11月21日(土) 定時総会・講演会・懇親会理窓ビジネス同友会

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