理窓 2015年7月号
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30理系女子からの脱皮 大学卒業直後は、大手自動車メーカーの技術センターに技術者として就職しました。主な業務内容は、トラックのエンジンやパイプの配管等のプログラムの作成でした。その頃はまだ男女雇用均等法が適用される以前で、同じ大卒でも男女で給与形態が異なることが大企業でもありました。 4年を過ぎた頃、男女に差のない職業に就こうと、資格の本を読み、税理士なら良いかな?と思い何の知識もなく受験予備校に電話をしたら、簿記2級を取ってから来てください、と門前払いされました。仕事帰りに簿記の学校に通い始めて、そこで公認会計士の方々と知り合い、税理士から公認会計士に志望を変更しました。 公認会計士の受験勉強を始めた頃は、公認会計士がどんな職業なのか、税理士とどこが違うのか実は何も知らなかったのです。合格するかどうか何の保証もないまま20歳台後半に会社を辞め、今考えると本当に無謀としか言いようのない状況で、3年間の受験勉強の後、運よく公認会計士国家試験に合格できました。(本当に運が良かったです。)公認会計士とは 多くの方々は、“公認会計士”って聞いたことはあっても何をするのか知らないと思います。主な仕事は、金融商品取引法や会社法に基づく会計監査、つまり企業が作成した財務諸表などを第三者の立場からチェックする仕事です。最近では、東芝の不正経理が問題になっていますが、このような事態が発生しないよう会計監査が実施されます。会計監査は一般的に、監査法人という公認会計士が共同で設立した組織体で行います。不正が発覚すると、監査法人の責任問題をニュースで聞くことがあると思います。監査法人に就職 公認会計士試験合格直後は、大手監査法人の1つである朝日新和会計社(現:あずさ監査法人)に就職しました。当初は上場会社2~3社、学校法人1校を含め7~8社くらいを担当していたと思います。スタッフの頃は、会社のこともろくに知らないにも拘らず、“先生”と呼ばれ、こそばゆい思いもしました。だんだん経験を重ねるにつれ、担当会社の方々から決算方針について相談を受けたり、アドバイスができるようになったりと、これまで多くの会社等に関与させて頂きました。最後に あずさ監査法人ではその20年近くを飯田橋で過ごしたのですが、当時は理窓会には興味もなく、たぶん当該法人の外に目を向ける余裕がなかったのだと思います。しかし、約2年前に現職の監査法人に転職してから、あずさ監査法人(職員は全員常勤)とは異なり、東陽監査法人には非常勤の方も多く、監査法人以外でも仕事をしている方々に影響され、外にも目が向くようになり、昨年の11月からビジネス同友会に参加させて頂いています。 会計の世界でも、財務諸表等を作成するにあたり多くの会社は日本基準を採用していますが、グローバル企業を中心に国際会計基準を採用する会社が増えており、グローバル化が進んできています。“世界の理科大”のために、理科大卒業生には理系の世界でリーダー的存在になってほしいのはもちろんのこと、同時に理系に拘らずグローバルな世界で活躍してほしいと願っています。ががんばるんばる同窓同窓③東陽監査法人 公認会計士浅子 弘美(57理・応数)

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