理窓 2015年7月号
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関連団体通信関連団体通信20理窓光学会会長 松野 直 平成27年6月6日(土)、PORTA神楽坂7階、理窓会第2会議室に於いて、第66回理窓光学会講演会が開催された。夫々が北極圏・南極圏での観測という興味深い内容であった。ご講演内容の一部を紹介する。○ナトリウムライダー      ~北極圏における超高層大気観測~講師: 斎藤 徳人氏(理博:東京理科大学、平成7年 理学部物理卒)理化学研究所光量子工学研究領域光量子制御技術開発チーム 北緯69.6度、東経19.2度、そこはノルウェーの北極圏の都市、トロムソである。この座標の上層は、大気大循環の始点であり、終点でもある。また、太陽風エネルギーが地球へ注入される特異な領域でもある。ここで大気温度構造とそれらの変動メカニズムを研究するプロジェクトが進んでいる。観測方法は中間圏のナトリウム原子にレーザー光を照射して測定するライダーである。その観測概念、必要となる光源、最近の研究成果を紹介頂いた。○南極昭和基地での光による大気観測    ~見ているのに見えないものを見る~講師: 江尻 省氏(理博:名古屋大学)国立極地研究所 宙空圏研究グループ 地球大気が上空100km付近まで広がり、その上端付近では100m/sを超える強風が吹いたり、数時間で数十Kもの温度変動が起ることは意外に知られていない。この超高層大気の変動には、大きな緯度差のみならず、経度差もあるがデータが少ない。特に観測が不足している南極域で、2011年から中層・超高層大気の光・電波複合観測を拡充して行っている。本講演では、高感度のCCDカメラで超高層大気の微弱な発光を捕らえて大気の水平構造を調べるため、大気の密度・温度を測定するライダーと、あわせて最近の南極地域観測隊の様子をお話頂いた。運営委員/広報担当 長谷川 貢 理窓技術士会は、発足して12年目となり、5月23日に第12回定時総会を開催、今年度の活動方針等を決めました。東京理科大学と連携し、キャリア支援など積極的に行ってまいります。また隔月に技術懇話会、工場見学会を行いますので、当技術士会以外の理窓会会員の皆様の参加もお待ちしております。当会会員の募集をしており、技術士資格有無に関わらず、当会に関心のある方の入会も歓迎します。入会お申込み、お問い合わせは、下記メールあてへお願いします(理窓技術士会運営委員会のメールアドレス risougijyutsushi_committee@alumni.tus.ac.jp)。 5月23日には、理窓ビジネス同友会と共催で特別講演会を開催しました。お二人の先生をお迎えし講演をしていただきました。(ポルタ7F) (1)「東京理科大学の研究戦略」東京理科大学副学長 森口 泰孝氏  科学技術を巡る我が国の現状を分析・解説した上で、東京理科大学の研究体制の目指すところや、「研究戦略・産学連携センター」の組織、研究戦略中期計画、研究資金、最近の産学連携の具体的研究事例、取り組みなどを紹介していただきました。(2)「科学技術人材育成と技術士制度の今後の展開」文部科学省人材政策課長 片岡 洋氏 日本の科学技術人材育成の現状と課題、施策の現状と今後の方向性について、国の政策を策定する立場で、若手研究者の活躍や女性研究者の活躍を促進する施策、技術士制度の見直しなどのお話がありました。理窓技術士会

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