理窓 2015年4月号
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3914・7 理窓くださったので、それから各雑誌について歴史を国立国会図書館へ行ったりして資料館スタッフ総出で調査を行いました。東洋学芸雑誌や東京物理学校雑誌等を、日経サイエンス、東京大学明治新聞雑誌文庫、ニュートンプレス(株)他のご協力のもと展示することができました。微分解析機の完全復活を成し遂げ 最後の出力卓までを復元し2014年12月1日に「微分解析機完成報告会」を共同研究プロジェクトの各機関長にご臨席いただき執り行いました。朝日・毎日・産経・信濃など12月2日から28日まで全国各地で15社あまりの新聞に掲載され、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。新聞に限らず英文朝日や月刊ニューメディア、PCwatch、週刊アスキーなどにも大きく掲載されることとなり苦労が報われました。「いやぁ、本当にちゃんと動くとは思わなかったぁ」と心臓部であるトルク増幅器が情報通信研究機構の修復から戻り、資料館で解析結果を初めて描いた際に国立情報学研究所の橋爪教授が呟かれた言葉が忘れられません。「えーっ、先生もそのような気持ちで始められたのですか!」と私が驚いているのがビデオに残っています。 微分解析機完全復活のニュースはIEEE Annals of the History of Computing のEvent&Sightings にも掲載されました。世界一のコンピュータ博物館と言われるHeinz Nixdorf Museums ForumのJochen Vieho 館長がわざわざ計算実演を見るために実演時間に合わせてスケジュールを組み、ご来館されるなど海外の計算機科学者の方々の反響もじわじわと感じています。「計算結果は素人でも見てわかるの?」と聞かれ「残念ながら、微分方程式グラフが頭に想像できる人しかわからないと思います」と答えておりますが、理窓の読者の皆様ならきっとアナログ機械によって導かれる方程式の解法をわかってくださると信じています。化学科卒でも、きっと。毎週木・土(14:30~15:00)計算実演中です。掲載されました。「大学博物館の挑戦」という特集で、最近の活動を見ていてくださった編集委員の先生から推薦をしていただけたのです。これまでの理窓の原稿をまとめ直し、巨大な理系大学組織の中での学芸員としての3年間の想いを、「ガラクタ置き場から唯一無二の博物館へ」というタイトルで寄稿できたことは本当に有り難いことでした。 さらに真空管大型コンピュー「UNIVAC120」も2015年3月に情報処理技術遺産認定を受け、「Bush式アナログ微分解析機」「FACOM201パラメトロン電子計算機」に続く3台目の認定です。 アナログコンピュータ展 2014年の夏の企画展は、6/19~8/8まで企画展「アナログコンピュータ展」でした。海上保安庁海洋情報部より潮候推算機、国立科学博物館よりプラニメーターや解説ビデオ、タマヤ計測システム(株)からデジタルプラニメーター、東京大学生産技術研究所から微分解析機改良部品、東京電機大学から電気式アナコンパネル、ヘンミ計算尺(株)から計算尺の目盛刻印など借り展示しました。「微分解析機」の再生プロジェクトを情報通信研究機構と国立情報学研究所、本学の3機関で2013年6月から実施していますが、「アナログ計算機って他にどういうものがあるの?」という質問も多く、現存するアナログ計算機の調査と微分解析機の解説資料作成を兼ねて企画しました。NHKテレビ「首都圏ネットワーク」(平成26年7月10日放送)の取材や放送を通し、さらに会場内アンケートの最後まで続けて欲しいとの声が、微分解析機プロジェクトを完全復活するまでやり続けるきっかけとなりました。科学雑誌の歴史 2014年秋の企画展は10/17~11/29まで、「理大科学フォーラム」が発刊されて30年を迎えたことを記念しての科学を伝えるとりくみの展示でした。竹内伸当館顧問が科学の普及のために発刊された「科学雑誌」の創刊号の発刊意図をまとめて明治期からのさまざまな科学雑誌を展示明治期からのさまざまな科学雑誌を展示横国理工教職課程学生の特別見学会横国理工教職課程学生の特別見学会ITメディア撮影ITメディア撮影

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