理窓 2015年4月号
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38 戦後70周年やものづくりの特別番組や雑誌などの企画に関わることが増え、日本の科学技術の歴史や進歩について実物展示を通して伝える場として当館は重要な役割を果たす館だと感じます。1年ぶりの近代科学資料館だよりでは、2015年の企画展についてのご紹介と2014年の活動をふりかえりたいと思います。アインシュタインの業績 2015年7月25日~11月25日まで、当館2階の企画展示室にて、企画展「アインシュタイン展」を開催すべく準備を進めています。これまで化学科卒ということもあり、物理学の代名詞のような相対論に対して縁遠く、アインシュタインも天才科学者という類の印象しか持っていませんでした。一般相対性理論については、とにかく難しい!との印象しか持っておらず、2年前の秋にヘブライ大学のアインシュタインアーカイブズからアインシュタインの展示をしないかという話が本学に来ていると聞いた際も、資料館で企画するのにはためらっていました。2015年が一般相対性理論の完成から100周年であり、2005年には特殊相対性理論から100周年記念展示が全国各地で行われていたことを思い出し、大学が全面協力するとの言葉を信じ、恐る恐る取り掛かった次第です。 ふらっと立ち寄って下さる神楽坂めぐりの方々に、相対性理論をわかり易く解説するにはどうしたらよいかをこの1年ずっと考えてきました。4か月後、ようやくそれが形となる夏がやってきます。知れば知るほど程、アインシュタインの功績が沢山あり、関係する人物も多く、わかりやすく伝える難しさを感じています。幅広い活動をした偉大な科学者アインシュタインの魅力を紹介する展示がどのようにできあがるかこうご期待です。博物館相当施設の認定その他博物館相当施設の認定その他 2014年には外部機関によって「博物館」と認められてきたことを実感する出来事が多くありました。一番大きなこととして、8月21日に東京都教育委員会により「博物館に相当する施設」の指定を受けました。大学所蔵資料の調査研究をする総合的専門機関として、近年の活動が規定の基準を満たしていると評価されたものです。申請メリットを調べ、約3年間所蔵資料をまとめ、書類の束を作成し準備を進めて参りました。これからは、日々頑張ってくれている資料館学生スタッフ達が認定された博物館施設において、実習経験有りと断言できるようになります。今後も「博物館の設置及び運営上の望ましい基準」に基づき利用環境向上に努めていきたいと思います。 4月にはIEEEマイルストーンを受贈した「屋井乾電池」プレート展示を開始しました。屋井先蔵氏は物理学校で学び、世界に先駆け乾電池を開発された大先輩であり、2013年には電気学会の「でんきの礎」においても屋井先蔵氏の学び舎として東京理科大学が顕彰されています。電気学会において「物理学校で学んだ屋井先蔵」と題し明治期にどのような環境で屋井先蔵氏が乾電池を開発したかを調査発表しましたが電気学会優秀論文発表賞の受賞という名誉を得ることができました。 また、日本博物館協会が編集発行している「博物館研究」2014年7月号の大学博物館特集に当館がアインシュタイン展アインシュタイン展―一般相対性理論完成から100年――一般相対性理論完成から100年―近代科学資料館だより⑪科学コミュニケーター科学コミュニケーター大石大石  和江和江(平1理工・工化)(平1理工・工化)三元連立方程式を解く機械を解説中三元連立方程式を解く機械を解説中Ilan Chabay博士と北原和夫教授によるサイエンスカフェIlan Chabay博士と北原和夫教授によるサイエンスカフェ科学雑誌展準備風景科学雑誌展準備風景

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