理窓 2015年4月号
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26フレッシュマンフレッシュマン理学部第一部数理情報科学科榎本 理恵(平25理研・数情) 学位を取得してから二年が経ちました。私は現在、理学部第一部数理情報科学科にて助教をしております。何もかもが手探りだった一年目、少しずつ要領が分かり周りにも目を向けられた二年目。三年目は自立を目標に研究と教育に従事する所存です。 本学を希望した理由を振り返れば、高校三年生のときに恩師に薦められたことがきっかけでした。その頃は数学が学べ、教員免許を取得できる大学へ進学できればと考えていました。それが十年以上も神楽坂キャンパスに通うことになり驚いています。出身学科は情報数理、統計数理、計算数理を三本柱とし、数学的基礎から実践的な応用を念頭に置いた数学を学ぶことができます。その中で統計は、実際に起こる現象を理論に基づき分析ができます。使い方を誤れば危険が伴いますし、断定的な結論を出すのは苦手ですが、いかに上手い道具として利用するかも魅力の一つです。私は多変量解析を専門としており、理論構築の観点から研究を進めています。 長い学生生活の中で特に博士課程の最後の一年間は濃く、一番短く感じました。学位を取得してからどうするのか。研究とは何なのか。常に将来に対する不安を抱えていました。ですが多くの方の支えがあり、今の私があります。人と人との繋がりがいかに重要で尊いものかを実感しました。現に博士課程の間に出会った広島大学の藤越康祝名誉教授、諏訪東京理科大学の櫻井哲朗講師、University of Life Sciences in LublinのZo a Hanusz教授とは共同研究を継続しています。 私は二部数学科も兼担しており、一部の学生とは異なる雰囲気に日々刺激を受けています。働きながら通う人、金銭的な面で二部を選んだ人、リタイア後に時間があるので勉強をしたいと通う人。さまざまな学生を見てきました。時には授業後、相談に乗ったり雑談をしたり、非常に充実した日々を過ごしています。 昨今、女性研究者の進出が取り沙汰されていますが、研究者、教育者、そして私生活の面でも私はまだまだ半人前です。これからも人と人との繋がりを大切にし、本校に恥じぬよう研鑽を積んで参る所存です。株式会社三井住友銀行樋口 友崇(平26理・数) 私は現在、三井住友銀行という企業で働いております。この度は研究室の教授よりたまたま執筆のお話をいただいたので、この機会に皆様に近況をお伝えしようと思います。3週間の新人研修後、1年目の5月より新橋駅の近くにある日比谷支店へ配属となりました。銀行の根幹である支店に身を置き、9カ月掛けて預金や為替等の基礎知識を吸収しています。その後は法人営業の部署に異動することになります。うちの支店で働いている人は70人くらいおり、個人営業の方と事務職の方に分かれます。今の主な仕事は、ローカウンターという窓口に出てお客様の応対をしたり、電話の応対をしたりすることです。窓口では個人・法人を問わず多種多様なお客様を1日10件近く受け付けます。日比谷のお客様は時間の無いビジネスマンが中心なので、速くて正確な事務が求められます。銀行は公共性の高い業種ということもあって、お客様の書いた書類を修正したり、補記したりできません。そのため窓口で受けている間に完璧な書類を作ら(2626)

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