理窓 2015年4月号
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22【大学入学から就職へ】 私が東京理科大学を受験したのは平成2年のことでした。小学生の頃より近所の友人の家でPC-8001を使って信長の野望といったPCゲームに触れており、大学受験の際も何となくコンピュータ関連の事が学べる所を選び受験しました。残念ながら、情報科学科には行けなかったのですが、無事経営工学科に入学することができました。 当時のOSはMS-DOSで、テキスト画面にてコマンド入力を行うことが当たり前で、ネット接続もせずスタンドアローンでPCを使うことが多かった様に記憶しています。大学で出会った仲間がNIFTY-Serveに入っていたため、私もIDを取得し、電話回線を使ってチャットやフォーラム巡りを楽しんでおりました。学生生活においては、仲間に恵まれて、順調に4年間で卒業することができました。【SEからSEへ】 就職してSE(システムエンジニア)の業務をこなしつつ、プライベートでパソコン通信を続けていたこところ、会社の寮の近くでオフ会(日本酒を楽しむ会)が開催されることとなり、たまには行ってみるかと思いオフ会に参加しました。このオフ会での出会いから7年後に、結婚し現在に至ります。そうなんです、このオフ会に日本酒の蔵元の娘さん(現在の妻)が参加していたのです。結婚をしてもしばらく(3年程度)はSEを続けていたのですが、あるとき、意を決して妻の実家に転職することにしました。酒造りなんて全くわからないSE(SAKEエンジニア)の誕生です。【日々勉強です。】 転職後、まずは酒造りの勉強(OJT)からでした。杜氏の指示のもと、作業をこなしながら徐々に体に覚え込ませます。現在でも、酒造りは勉強の連続です。味覚に答えはありません。好みは一人一人違うのです。万人の好みに合わせることは難しいので、自分の好みとの一致点を見つけ、その味に近づけるべく、アルコールを造ってくれる酵母と対話しながら作業する毎日です。伝統の味として伝えていくものは守りつつ、食の変化に伴って変えるべきものは変えていかねばなりません。どこに手を入れるのか、それを決めるのが経営者の仕事です。 また、造るだけでは商売はなりたちません。販売も重要な仕事です。和食がユネスコ無形文化遺産に認定されたことに伴い、近年、日本酒の海外での需要が高まっています。日本政府も國酒の輸出促進に積極的に取り組んでいます。弊社も一昨年より輸出が始まりました。輸出先様にお伺いする機会も増えてきました。ここで、1つ問題がありまして、私が学生時代に最も苦手としていた科目が英語なのです。しかし、泣き言は言っていられません。少子高齢化で市場の縮小している日本市場より、市場の拡大している世界に向けて販路を拡大しなくてはなりません。自分自身も、時代にあわせて変化していかなければならないのです。【卒業生として】 現在、私は東京理科大学のOBで組織されている理窓ビジネス同友会に所属しています。 大学を卒業して以来、大学と関わることはほとんど無かったのですが、取引先の社長様と話をしていた際に、その方が理科大の卒業生であることがわかり、その方の勧めにより所属させていただきました。月に一度、神楽坂に集まって先輩方と話をさせていただくのですが、様々な業界の方と話をしていると、日々、考えたり、悩んだりしている事が別の視点で考えられて参考になります。毎年、東京理科大学からは多くの学生が多方面の業界に巣立っていきます。この、卒業生のネットワークをもっと活性化できれば、さらなる飛躍ができるのではないでしょうか。今は、先輩の方々に頼ってばかりですが、いつかは、頼られる側になれる様、日々の業務に励んでいきたいと思います。(清酒 長命泉蔵本(株)滝沢本店取締支配人)ががんばるんばる同窓同窓②滝澤 直樹(平6理工・経工)

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