理窓 2015年4月号
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15・4 理窓19「坊っちゃん賞」を受賞して「坊っちゃん賞」を受賞して強運の持ち主だった小野 具彦(42理・化) 理窓教育会には、多大な業績の方々が大勢いらっしゃいますから初めはお断りしていましたが、教育に携われてこられた同窓生の皆で頂くという意味からお受けしました。推薦いただき、業績を評価してくださったことに深く感謝いたします。喜びよりもほろ苦く戸惑いが多い受賞でした。中学校理科教育 5地域の5校で、中学校の理科教師として18年間、物理・化学・生物・地学の全てを担当してきました。教材研究を徹底し、発見や気付きがある良く分かる楽しい授業の展開を目指し、「この時間で覚える事は一つ」、「理科は理解」が口癖でした。 都の研究員と開発委員を経験させていただき、多くの仲間と出会い、切磋琢磨したことが刺激になり、後の理科担当指導主事につながりました。 東京都と全国の中学校理科教育研究会で、多くの理科教員と交流し実践研究を深め、理科教育を幅広く捉え、会長等もさせていただき、その充実と発展に力を合わせました。文部科学省や理科教育振興協会との関りも良い経験でした。教育管理職 指導主事6年を経て、3地区3校の中学校長を12年務めました。困難期の1校目、気を引き締めて着任し、学校のあるべき姿をもとめ学校創りに奮闘しました。次では、教職員・保護者・地域と一つになり「学園的学校」の創造を目指しました。3校目、経験を生かし、高い理想を掲げ、先進的な取組も進め、全国にも発信できました。 異なる3地域のどこでも、多くの素直で意欲ある生徒と出会い、共に力を発揮してくれる教職員と仕事が出来ました。12年間、多くの方々から支援していただき、持てる力を存分に発揮できたことはとても幸運でした。 最終年には全日本中学校長会の会長を務め、極めて多忙でした。全国8地域の研究大会にも参加するなど、1万人の校長先生との連帯を強く感じた日々でした。日本中学校体育連盟会長として様々な種目の応援が出来たことも良き思い出となっています。教育行政 教諭18年の後、指導主事として、東京都からの室長派遣が無い市に6年務めました。指導主事2人で、市の学校教育全般にわたる企画・立案から運営までも携わることが出来ました。小・中の教職員と深く関り、市役所職員と連携し、やりがいのある充実した日々を無我夢中で過しました。この間、市内の同窓中学校長4人から多大なご支援をいただきました。 定年退職後、東京都教職員研修センター教授を2年務めた後、地元市の教育委員を拝命し、委員長3年間を含めて8年務めました。教職経験を生かし、幅広い視野から市の教育行政に関与が出来たと思っています。おわりに 守備範囲を広げるための取組が、私の教職人生を支えて来た基盤ともなりました。一つは日本レクリエーション協会とキャンプ協会の指導者研修。二つ目はオリエンテーリング2級指導員。三つ目は部活動顧問。生徒と共に楽しく技能向上を目指した良き思い出です。 強運だった私も、今、体力・知力の低下を感じ、気力を維持していかなくてはと思いながら、これからどう生きるかを模索しています。

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