理窓 2015年4月号
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6 陽春の候、理窓会の皆様におかれましては、ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。人口の減少・国内経済の低成長・企業のグローバル化により、大学を取り巻く環境も予断を許さない処ですが、本学は今年も期待どおりの質・量の新入生を迎えることができました。これも皆様の日頃からのご支援の賜物と、法人を代表して深く感謝申し上げます。 さて、2015年度がスタートいたしました。皆様ご存知のとおり、2014年度は中長期計画の実行初年度であり、東京理科大学にとって21世紀の基礎を補強した一年でした。4月には国際競争力を高め、独創的な研究開発を推進する目的で、「研究戦略・産学連携センター」を新設し、前文部科学省事務次官であった森口泰孝副学長がセンター長に就任しました。5月下旬には、マレーシアの第4代首相であったマハティール閣下に本学のアジアに於けるグローバルアドバイザーを、更にMITスローン経営大学院のマイケル・クスマノ教授には経営学部のWORLD CLASS化と本学をINNOVATIONの世界拠点とする構想のグローバルアドバイザーを引き受けていただきました。本学が世界のエベレストに登るためには、優秀なシェルパが必要不可欠です。この上ない二人のアドバイザーを得ることができたことは「世界の理科大」を目指す上で、非常に重要な一歩です。昨年は私自身何度もマレーシアに足を運び、マハティール閣下をはじめ、マレーシアの副首相・教育相などとも面会し、アジアにおける教育事情について勉強させていただきました。また、MITのクスマノ教授には本学に複数回足をお運びいただき、ワーキングセッションを通じてMITモデルの習得について勉強を重ねました。 世界が注目する魅力ある大学を目指す改革の一つとして、2016年度に工学部と経営学部を再編します。工学部第一部と第二部が新たに「工学部」として生まれ変わり、情報分野への教育・研究を強化した情報工学科を新設する予定です。また、飯田橋富士見に移転が決定した新「経営学部」は従来の経営学科に加え、新たにビジネスエコノミクス学科を創設し2学科となります。新設のビジネスエコノミクス学科では、理科大ならではの数理数量的アプローチを駆使し、市場を創造できるデータサイエンティスト等を育成、輩出していく予定です。卒業生は金融、情報、サービス、通信、公務員など幅広い業種で活躍することを期待します。昨年10月には、アントレプレナーシップ(起業家精神)学部教育において20年連続米国トップのバブソン大学と提携契約を締結しました。世界で活躍できる経営人育成をめざし、理科大ならではの「経営科学」の発展と世界の最先端を見据えたビジョンがまさに今動き出し始めるところです。 さて、グローバル化の巨大なうねりの中で、世界では情報通信技術もめまぐるしいスピードで進化しています。IT、もしくはICTは大学などの高等教育機関ではもちろんのこと、今日では小学校や中学校などの初等教育や中等教育の場でも広く活用されています。文部科学省はすべての小中高等学校などが各学級の授業においてコンピュータを活用できるよう様々な施策を推し進めており、実際理窓会の皆様へ理窓会の皆様へ~世界で最も魅力のある大学を目指して~~世界で最も魅力のある大学を目指して~学校法人東京理科大学理事長 中根 滋

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