理窓 2015年1月号
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3115・1 理窓 私は、現在、港区の三田でシステム開発の会社を経営しています。いわゆるFA(ファクトリーオートメーション)、PA(プラントオートメーション)を主として、システムの提案、設計、開発、納品を行っています。システム開発にかかる、エンジニアリング、ソフトウエア開発、制御盤の製作、電気計装工事が業務内容となります。 平成7年に理工学部の情報科学科を卒業し、在学中にアルバイトをしていたソフトハウスにそのまま就職しました。全員で5人位の小さな会社でしたが、社長が理科大卒の先輩だったこともあって、特に就職活動もせず、そのまま居座らせてもらいました。 数年間はその社長に色々と叩きこまれ、何とか仕事が出来るようになりました。やはり大手とは異なり、直ぐに実戦、実戦でなかなか大変でしたが、その分一人で出来るようになるのは早かったのではと思います。 そうこうしているうちに、実家の岡山に帰ることになり、他にできることもなく、独立することになりました。四畳半一間にパソコンと電話だけで始めましたが、理科大先輩の社長からもいろいろと仕事をいただき、順調に滑りだすことが出来ました。続けていると、それなりの評価もいただくもので、段々とお客様の数も増えてきました。 そうなると、一人では作りきれず、協力会社にお願いすることも多くなってきました。理科大卒の先輩が勤務している工場の仕事もさせていただきました。 10年近く一人で仕事をしていましたが、一人での限界を感じ、そのころ同じ案件をよくやっていた人間を誘い、新たに組織として立ち上げたのが、現在の会社です。やはり、組織として動くと今までには出来なかったような仕事も入るようになり、日々が大変刺激的になりました。ソフトウエアの開発をメインとして始めましたが、工事までやって欲しいと頼まれるようにもなり、気付くとシステム開発全般が業務となりました。この4月からは、理科大卒の新人も加わり、 総勢6名で頑張っています。 弊社の業務、FA、PAは製造業の各設備のシステム化です。当然景気に左右されます。日本の元気が無い時は、右へならえで売上は減ります。最近、景気が回復しているというニュースを耳にすることが多くなってきましたが、システム屋さんが足らないというところまでには、まだ届いていないような気がします。ただ、弊社のシステムが生産性の向上、その他に役立ち、ひいては日本製造業の回復に少しでも役に立てればなと考えることもあります。 あと、ここからは、これから就職する人が読んでくれていたらと思う内容ですが、「理科大生は大手思考が強すぎる」のではないかと思うことがよくあります。大手に務めたことはないので大手のことはよく分かっていないとは思いますが、私は中小の方が絶対に面白いと思います。大手の場合は、就職出来たことが少なからずゴールになってしまう感じがありますが、中小の場合は絶対にそこからがスタートです。自分の失敗は即、会社の失敗になってきます。自分の成功は即、会社の成功になります。その分、自分自身が鍛えられ、いざ仕事を変えなければという状況になった時、なんとでもなります。私が卒業した時、名を轟かせていた会社でも、今はもう存在しないところは山ほどあります。理科大卒の先輩が社長をしている中小はたくさんあると思います。ぜひ、一度そういうところに目を向けていただけたらと思います。(株式会社 アンシェル 代表取締役)坂本 哲志(平7理工・情)ががんばるんばる同窓同窓『ソフトハウスをやっています』

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