理窓 2015年1月号
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28 冬がきた。暑い、暑いという言葉が溢れ出ていた唇から、ある日の朝、寒いという言葉が飛び出す。冬がきたのだ。暑いのもガマンできないけれど、寒いのも嫌だ。コタツに潜り込んだら最後、一歩たりとも身動きしたくない。動かないということが、心身の健康にとって最悪の敵であることは誰もが知っている。誰もが知っていることではあるが、腰まで潜り込んでしまったコタツからはおいそれと抜け出せない。見て見ぬふりして放ったらかしにしておいてもいいのだけれど、放ったらかしにしておけば生活習慣病を招き寄せるのは時間の問題だ。そんなあなたを、無理矢理でも陽だまりハイクに誘い出すことにする。それが友情ってもんだろう。陽だまりを、のんびりゆっくり歩くのが陽だまりハイクだ。冬であればこその、山歩きの楽しみ方の一つである。 歩き回るのに窮屈でないゆとりと伸縮性があり、保温力ある服装であること。足回りはトレッキングシューズがいいが、本格的な登山ではないから運動靴でもいい。ザックの中には、防寒着、雨具、水、嗜好品、お腹が空くと歩けないという人はコンビニでサンドウィッチかおにぎりを仕入れておく。 今回お勧めするコースは、遭難を予想するような大それたコースではないが、滑ってころんで足首などを捻挫・骨折すれば身動きできなくなってしまうので、単独行はやめておくべきだ。必ず友人知人を誘って複数人で山に入って頂きたい。未登のルートを狙う冒険登山家はいざ知らず、我々のような山登りでは「趣味登山は4人から」である、と考えている。2人では1人が捻挫・骨折で身動き出きなくなれば、当事者をその場に残し、単独で救援を求めにいかねばならない。3人だと当事者には1人付き添えるが、救援を求めに行くのは単独になる。4人パーティなら当事者に1人付き添い、救援を求めに行くのも2人での行動になるので安心だ。 さて行き先は、湘南、三浦半島、房総半島からコースを選ぶ。ガイドブックは湘南と三浦半島は『神奈川県の山』、房総半島は『千葉県の山』、いずれも山と渓谷社から刊行されている新・分県登山ガイドシリーズの一冊である。陽射しがあって風がなければ、いずれも陽だまりハイクが楽しめるエリアだ。 湘南からおすすめは「高麗山」、東海道本線大磯駅からスタート、大磯駅にゴールする約6キロの周回コース、歩行時間は2時間10分とある。 ちょっと足を伸ばして、曽我丘陵もお勧めだ。JR御殿場線下曽我駅スタート、ゴールは東海道本線国府津駅、約8.5キロ、歩行時間2時間25分のコースである。2月になれば梅の花が咲きはじめ、4月になれば桜が咲く。 三浦半島からは、大楠山。スタートは京浜急行安針塚駅、三浦半島の最高峰、大楠山を越えゴー、というであることのような山登りでは「趣る、と考えている。2人で身動き出きなくなれば、当事単独で救援を求めにいかねばならき添えるが、救援陽だまりハイク陽だまりハイク山は健康の源(20)山は健康の源(20)岩崎岩崎  元郎元郎

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