理窓 2015年1月号
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15・1 理窓9「第7回 数学・授業の達人大賞」表彰式・模擬授業「第7回 数学・授業の達人大賞」表彰式・模擬授業 第7回を迎えた数学・授業の達人大賞は、東京理科大学数学教育研究所が主催し、東京理科大学大学院科学教育研究科、東京理科大学理窓会、東京理科大学数学教育研究会が共催し、ホームカミングデーで、その表彰式が行われた。これは小・中・高等学校において、意欲的な研究や、創造あふれる指導により、優れた授業を実践した数学科の教員を顕彰するものである。例年、最優秀賞2組、優秀賞2組を表彰するが、今回はさらに優良賞が2組に贈られた。最優秀賞 秋田県湯沢市立稲川中学校 倉田 一広 先生 授業タイトル「投影図」 芝浦工業大学中学高等学校 金森 千春 先生 授業タイトル「黄金比とデザイン」優秀賞 静岡県浜松市立雄踏小学校 鈴木 祐子 先生 授業タイトル「解き明かせ!単位分数のなぞ」 愛知県立津島高等学校 山田 潤 先生 授業タイトル「円周率を求めてみよう」優良賞 鹿児島県鹿児島市立武岡小学校 二木 智由 先生 授業タイトル「地球レベルで体積を語ろう!」 愛知県名古屋市立若水中学校 我妻 卓 先生 授業タイトル「一筆がきで考えよう」 表彰式は、まず、清水克彦部門長の開会の挨拶で始まり、藤嶋昭東京理科大学学長からご祝辞を賜り、その後部門長から受賞者への賞状、賞金、記念品等の授与、続いて秋山仁センター長から講評があった。秋山先生の講評を要約すると以下の通りである。秋山センター長 本日は受賞おめでとうございます。倉田先生は空間図形の投影図の指導に取り組んだ授業で、きめの細かい指導がなされている。いろいろな立体模型をそれらの投影図の形の穴が開いた段ボール箱をくぐらせる、という参加型の授業を生徒にさせる。パズル形式、クイズ形式で授業にメリハリをつけるところがとても良い。金森先生は黄金比とデザインという数学と美術の関連を扱った授業で、この授業でも物差しで測ったりするなどして、生徒を参加させる工夫があった。黄金比について実際に2次方程式を解かせていた。根拠のある美しさを数値的に裏付けるのは非常に良かった。鈴木先生は分数の足し算引き算に関して「単位分数-単位分数=単位分数」になる計算結果があるという、不思議さが演出された授業。かつてNHKで「エジプトのパンの分け方」という番組があり、それと同様に、小学生に通分・約分という嫌いになりそうな範囲をいかに面白く教えるか、ということが非常に考えられていた授業。山田先生の授業では円周率を数値的に求めることを行い、アルキメデスの方法という数学史的な活用も見習うべき授業。答えはたった1つなのにアプローチが多種多様である。二木先生は実感がないような量の感覚を身につける授業。基準を示していたのが分かりやすい授業になったのではないか。我妻先生は帰納と演繹を用いて授業を行っていた。「数学が大いに役立つ」と実感できる授業であった。 最後に、最優秀賞受賞者2名による模擬授業が行われ、閉式となった。   (文責 岡田紀夫)会場 講義棟1階102教室会場 講義棟1階102教室    時間 13:30~15:30時間 13:30~15:30左から順に藤嶋学長、清水先生、金森先生、倉田先生、左から順に藤嶋学長、清水先生、金森先生、倉田先生、山田先生、二木先生、鈴木先生、秋山先生山田先生、二木先生、鈴木先生、秋山先生会場風景会場風景倉田先生倉田先生金森先生金森先生

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