理窓2014年10月号
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16はじめに 平成25年10月に、数学の理論を五感を通じて体感できる「数学体験館」が、近代科学資料館地下1階に建設されました。数学に特化した当数学体験館は、国内はもとより、世界でも類を見ない本格的な施設であり、今や理科大のシンボルのひとつになりました。殆んどの新聞に掲載され、NHK及び民放各社のニュースにもしばしば中継されたこともあって、現在(平成26年9月末)までに既に11,000人を超える来館者となっています。来館した皆さんは数学の理論のメカニズムやアイデア、面白さや有用性を肌で実感しています。また数学体験館には、最新の工作機器が設置され、専門の技術員が常駐し、日々、新しい数学作品が考案・制作されています。また、この種の施設において重要な役割を果たす説明員として、教員を志望する数学系の学生や院生が元気溌刺とインストラクターを務めており、彼らは近い将来、教育現場で若者たちをインスパイヤーする“坊っちゃんの卵”として、活躍することが期待されます。数学体験館の目的 数学体験館の設置の目的は、学生の教育という視点からは、①高校までの理解不足を補う補習教育の強化、②大学での数学初年次教育の充実、③能動的な学習意欲を引き出すための独自の教育活動を実践することです。本館の設置により、本学学生の大学入学後の数学への学習意欲を一層高め、特に数学教員を志望する学生たちに豊かな教育力を身につけてもらうとともに、中学生及び高校生や、現職の中学校及び高等学校教員などに、体験的学習を通して、算数や数学の抽象的概念を分かりやすく伝える具体的方法を提示しております。一方、老若男女を問わず、学外者に対しては、一見とっつき難い数学に慣れ親しみ、分かる喜びを全身で味わっていただくことです。数学体験館の構成 数学体験館は、観て、触って、動かし、実験して数学の定理・公式を体験する「数学体験プラーザ」、数学的発想を形に変える「数学工房」、及び小、中、高、大学生および一般の方々向けの、解かり易い授業をDVDで自由に視聴できる「数学授業アーカイブス」の3つの空間から構成されています。数学体験プラーザ 数学体験プラーザでは、小学校・中学校・高校・大学初年級の各単元で学ぶ主要な概念・理論・定理・公式をハンズオン形式で学ぶ場です。現在、約100点程度の展示があり、年に数回の入れ替えを行っています。 来場者は、中、高校生や大学生や学校の先生方数学体験館に数学体験館に来たれ来たれ数学体験館館長数学体験館館長秋山秋山  仁仁数学体験館(学務部学務課)数学体験館(学務部学務課)山口山口  康之康之

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