理窓2014年10月号
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1314・10 理窓理窓知的財産クラブ会長 産形和央 企業は明日の糧を求めて研究開発にいそしみ、その成果を特許という形で結実させています。その研究開発投資が経済成長の源となり国を潤すという構図となっています。この特許は国ごとに取得する必要があります。というのは、それぞれの国には主権があり、特許権はそれぞれ国ごとに独立しているという原則があるからです。日本がものづくり世界一というガリバー型の産業構造となった30年前ぐらいにこれを打破するにはルールを変更するしかないということで、米国は肝心な部分は秘匿した部品に特化し、組み立てするノウハウを全て公開し、台湾などに製品組み立てを任せました。その結果日本はなすすべがなく失われた20年とかいう惨憺たる現状となってしまいました。そして現状では、日本から海外への生産がシフトし、日本企業の海外の生産量が日本の生産量を上回ってしまいました。その結果、日本の企業の保有する特許を途上国に進出した企業に使用させており、その特許使用料が膨大な収入となって日本に還流してきています。ただ一部の国では、この使用料など本国送金の上限を設けたりして、利益を地元に還元することをねらっています。海外進出が失敗し撤退しようにも、補助金を返せとかなどの問題があり撤退しようにもできない事情も生じています。ややこしくする動きとしては、特許保有会社を税金の安い国に設立し、そこに特許権とその使用料をプールする動きです。それに本社を海外の税金の安い国にもっていくこともあり、米国や日本など各国としては頭の痛い問題となっています。要するに本来還流されるべき収入が本国に戻らず国としての収益が減少し、国に入るべき税金も減少する事態となります。さらに、各企業がM&Aなどにより事業分野の不足分を補ったり強化する動きとともに、研究開発も途上国で開発したものが本国での製品化に結びつくのはいいのですが、米国など先進国で一部採用されているその国で生まれた発明はその国にまず特許出願しなければならないと制度採用の動きも一部にあるようです。こうなると、単なる特許問題とあなどることができなくなってきていると思います。理事 松原秀成1 会報44号の発行 年に2回、発行される理窓教育会会報は第44号となりました。第44号は、今年度より理窓会会長に就任された石神一郎会長のご挨拶を巻頭言に掲載させていただきました。紙面の中心は例年同様に、平成26年度理窓教育会総会並びに、「書面総会」を特集しました。その他の記事で主なものは、①本学出身の新任教員の抱負と活躍の報告 ②全国の教育管理職の昇格状況 ③同窓の活躍として、前山梨県教育長瀧田武彦先生の記事等を掲載しました。(10月3日に全国の会員へ発送)2 教員採用試験対策講座について 昨年度から教員採用試験対策講座の主催が、生涯学習センターから教職支援センターに移管されました。理窓教育会では、この講座に会員を講師として推薦しております。 教員採用試験対策講座は、①事前コース(26年10月~12月、8回) ②合宿コース(27年3月、2泊3日) ③4年生直前コース(27年3月~4月、6回。加えて5~6月に特別論作文・模擬試験対策2回)で行われます。経験豊かで親身になって教えていただける同窓先輩講師のおかげで、本講座受講生の中から教員採用試験合格者を多数出しております。3 第二次試験対策講座 教員採用試験一次試験を合格した学生を対象に、第二次試験対策講座を教職支援センターが7月5日と8月6、7日に行いました。東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、その他の地区に分かれ、理窓教育会の先生方が、その地区の試験内容に応じた面接や模擬授業等を徹底的に指導しました。成果が期待されます。また、学生たちが企画した自主的な面接練習会にも対応するなど、様々な支援体制を組み強い意志力をはぐくませました。4 坊っちゃん科学賞研究論文コンテスト 第6回坊っちゃん科学賞研究論文コンテスト(高等学校部門)については、第1回から、理窓教育会が全面的に運営に関わっています。 9月6日(土)に25名の理窓教育会の先生方が、全国の高校から応募のあった110の論文を分野別に審査しました。理窓教育会

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