理窓2014年7月号
38/54

34な校務があり、自分が想像していた以上に教員という仕事は忙しく、苦しい仕事である。まだまだ未熟であるため、多くの先生方に迷惑をかけてしまうこともあり、生徒が色々なところで問題を起こし、その度に頭を悩ませる。「別の仕事だったら、もう少し楽だったのではないか」とすでに何度考えただろう。自分の納得のいく授業、納得のいく指導、納得のいく部活動…10回に1回、うまくいけばいい方である。 ただ、その何回かに1回の成功がとてもうれしく、やりがいがある。「今日の授業はわかった」、「今日の部活動はいい練習でした」、「先生が来てから部活動が活発になった」、「先生、頑張ってね!」、何気ない生徒の一言、周囲の先生方の一言で救われる。まだまだその成功は少ないけれど、4月当初より地に足がつき、先生らしくなってきたと自分でも感じる。 今年度の目標は、「自分は勤務校の為に何が出来るか」を探り、自分の教育観を確立することである。私の勤務校でもたくさんの先生方がいるが、すべての先生方の教育観が一緒ではない。また、得意なことも多種多様であり、全ての先生が全てのことを出来るわけではない。この一年を通して、自分の強みを見つけ、「自分の教師像」を確立させていきたい。 まだ3か月、いやもう3か月が経った。先のことを考えている余裕はない。目の前の一日を全力で生きる。生徒の為に、未来の日本の為に、日々必死に公務に専念している毎日である。三重県立鳥羽高等学校教諭 藤田 敦紀(平26理・数) 私は現在三重県立鳥羽高等学校で数学の教員をしています。 理科大を卒業してもう3カ月ほど経つと思うと毎日があっという間な気がします。在校生の方は教育実習が終わり、教員採用試験に向けて頑張っている方が多いと思います。  私の勤務校である三重県立鳥羽高等学校には総合学科として地域との繋がりを大切にした系列授業というものがあります。 観光都市である鳥羽市は海がとても綺麗な魅力あふれる街です。生徒は各々興味を持った学習したい授業を選択し日々進学、就職に向け頑張っています。しかし、生徒の多くは中学までの授業についていけず数学という科目名を聞いただけで拒否感を抱いています。また、授業中に携帯を使用してしまったり、私語が多くなったりと授業に対する意欲が低いことも事実です。そんな中で授業ができるのか、生徒指導はできるのかと赴任前はとても悩んでいました。 いざ、生徒と触れ合う機会があったので第一印象は大切だと思い、笑顔で話しかけたりしました。すると生徒の多くは親近感を持って接してくれるような感じがして嬉しかったのを今でも覚えています。たとえ指導したい場面があっても、信頼関係ができていないと生徒は絶対に指導には応じてくれないと思います。 私の分掌である生徒指導部は毎朝、登校指導を行っています。この指導を活かして生徒の名前を覚えるようにして「○○君、おはよう」と声をかけ関係を築く努力をしています。他学年の生徒は近くにいる先生に名前を聞くようにしていて、今では大体の生徒の名前を覚えることができました。 私は授業開きの際に必ず言うと決めたことがあります。それは「数学ができないのはしかたのないこと。先生にだってできないことはたくさんある。でも取り組む努力はできる。頑張って授業を受ける姿勢を先生は評価したい」と。生徒が取り組めるために、分かったという充実感を与えるためにも教員は学び続けなければならないと実感しています。今後も生徒にとって満足のいく授業を展開する努力を続けていきたいです。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です