理窓2014年7月号
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32数学を充実させること、数学・物理・化学・生物・地学を総合的に学習する機会を設ける必要があることなどを話され終了しました。 研究大会では、 (1)「100周年に向けた理数研研究活動」池田文男 (2)「理数研数学史教育委員会の取り組み」牧下英世 (3)「統計教育における新たな枠組み構築と接続」光永文彦 (4)「数学指導における『批判的思考』の具体化-可謬的に捉える態度に焦点をあてた教材開発-」久保良宏らによる発表が行われました。 平成30年には、日本数学教育学会が主催する第100回全国算数・数学教育研究(東京)大会が、東京理科大学を中心として行われる予定です。池田文男会長から、全国大会開催に向けて理数研が研究活動を進めるにあたっての基本的な概念についてお話があり、「理数研研究委員会」を設置して取り組むことなどが示されました。これらの話を受け、参加者一同、第100回全国算数・数学教育研究(東京)大会を盛大で、しかも実り多い大会にしようと、決意を新たにしたところです。(文責 小林 博)東京理科大学数学教育研究会 総会・研究大会主催者 会長 池田 文男(48理・数)平成26年4月20日(日) 10時~参加者 120名 第1部は第56回総会、第2部は記念講演会、第3部は記念研究大会です。 総会では、25年度事業報告と26年度事業計画が審議され、滞りなく承認されました。 記念講演会では、「物理教育と数学」という演題で、東京理科大学理学部物理学科教授の橋本巌先生に講演をしていただきました。先生は理学部物理学科を卒業後、大学院へ進まれ博士号を取得されました。その後、東京理科大学に勤務し、教授、理学部第一部学部長として活躍されました。 講演では、先生が物理学に取り組む中で、数学が大変有効であったと具体的にお話をしていただきました。物理学実験に伴う「誤差論」では、数学における「確率や統計」の理論を背景に「標準偏差」や「確率誤差」の概念、分布関数等によって、理解が一層深まったそうです。また、数学の「ベクトル解析」は物理学における「電磁気学」や「流体力学」に出てくる実際の式と対応させるのに便利に使用することができたそうです。電子顕微鏡は、得られた「結晶構造像」が、論理的に求めた「結晶構造像」と矛盾しないことを確認するために数学的に計算方法を取り入れて評価しているそうです。先生はこれらの話のあとに、物理学を理解するには数学が絶対に必要であること、各専門分野で必要とする数学の知識を学習するいわゆる基礎

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