理窓2014年7月号
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26 先日、雑誌の取材を受けた。定年退職された読者から「自由な時間を持てるようになったので、山登りでも始めてみたいのだが、どんな風に始めていいのか分からない。教えてほしい」という投書があったので、その答えになるようなページを作りたい、ということでの取材であった。定年退職されてなにか始めてみたいなと思っている方は、理窓会にも大勢いらっしゃるはず。山登りでも始めてみたいなと思いながら、山登りって危険じゃないのかなという思いがブレーキになったり、年寄りの冷や水的発想で一歩を踏み出せないでいる方に、適齢期という言葉を使って背中を押してさしあげたいと思ったのだ。 山に親しみ、山の恵みに感謝する日として、国民の祝日「山の日」もきまったことだし・・。 山登りって危険です。なんて書いたら身も蓋もないが、山登りは危険と認識できると、山登りの危険はぐんと遠ざかる。山登りは危険と認識できるところから山登りは始まる。というのがぼくの持論だ。「山登りの危険」については、別の機会に書かせて頂くとして、適齢期について考えよう。 結婚適齢期という言葉がある。言葉はさておいて、結婚に適齢期というのは本当にあるのだろうか。あるはずがないと、ぼくは考える。思い立ったが吉日というように、結婚するかと、思い立ったときが適齢期であろう。 登山適齢期も同様、何歳ときまったモンじゃあない。山登りでもしてみるかと、思い立ったときが適齢期だ。ぼくが山と出会ったのは1960年、高校一年、15歳の秋だった。高校時代は自己流で、高三の10月まで毎月一回登っていた。63年、大学進学と同時に社会人山岳会である昭和山岳会に入会した。入会者は18人、Kが一番若くて16歳、次がぼくで18歳、ほとんどのメンバーは20歳から22、3歳で四分の三がサラリーマン、四分の一が学生だった。会員の中には30代40代の方もいらっしゃったが、現役としてコンスタントに活動しているのは20代の会員であった。 64年、東京オリンピックが開催され、新幹線が開通した。高度成長経済に突入し、だれもかれも日本中が忙しくなった。30歳過ぎて登山にうつつを抜かしていたら社会からスポイルされてしまう、そんな時代だったのだ。従って、当時の登山適齢期は20歳代ということになる。もしかしたら、結婚適齢期も似たようなものだったかもしれない。考えてみると、なにごとによらず適齢期というものは絶対的なものではなく、そのときどきの社会状況によるものであるようだ。 1970年代にはいると、日本人のふところが豊かになってきた。経済的余裕は遊びの世界にも反映された。理科大に入学した63年当時、若者の遊びは登山・ハイキングが主流で、スキーはお金持ちの遊びだった。70年代に入ると山は3Kだというを定年退っている方が適齢期だ。ぼくが山校一年、15歳の秋だった高三の10月まで毎月一回登学進学と同時に社会人山岳会で入会した。入会者は18人、Kが一ほとんどのメン今が登山適齢期今が登山適齢期山は健康の源(18)山は健康の源(18)岩崎岩崎  元郎元郎香港 シャープピーク香港 シャープピーク北海道 芦別岳北海道 芦別岳南アフリカ テーブルマウンテン南アフリカ テーブルマウンテン

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