理窓2014年4月号
9/54

514・4 理窓 そこで以下のように考えています; 植物、動物をはじめ、その生き残り戦略の巧妙さなど自然界の不思議さを学ぶことに加えて、空の青さや雲の白さの理由、あるいは台風の発生の仕組みやカミナリの時の光や音の発生のメカニズムを考え、あるいは地震や津波のことを考えることが重要であり、この方面の知識も学生諸君に教えていきます。 もちろん、科学・技術をこれまで発展させてこられたのは、今までの優れた研究者の働きによりますが、これらの方々の功績を知り、発想の豊かさを学ぶべきであるとも思っています。 このような観点から、学部教育における教養教育の重要性はますます大きくなっていますし、大学院を含めて教養講座を充実させる必要があります。私自身昨年も2回ほど講義を担当してみました。ガリレオ・ガリレイ、ニュートン、ファラデー、アインシュタイン、あるいはワトソンなど、大きな足跡を残している科学者たちの研究の流れ、そして彼ら自身が書き残してくれているものを紹介するのがその内容でした。 例えば、ガリレオの「星界の報告」であり、あるいはファラデーの「ロウソクの科学」です。どれもが文庫本として簡単に読むことができますので、学生諸君に良書の読書をすすめていきたいと思っています。互に学生、教員の交流を促進する。③ 基本的に講義はセメスター制とし、一部にはクォーター制も導入する。 本学の最も伝統として行ってきている中学・高校の数学・理科の教員養成をさらに充実させていきます。特に教育の高度化に対応する教育の充実と教員養成体制の強化を図ります。このための支援組織の見直しを行います。3.世界的レベルの研究に向けて 研究においては、理科大ならではの研究を世界レベルで展開していきます。そのための研究戦略を策定します。その際、大学の本来の使命である基礎分野の研究を重視しつつ、実用化に近い応用研究についても大いにすすめていきます。  目標として、本学の研究活動の中から、独創性が高く、社会的にも必要度が高い分野を重点的に推進していきます。特に総合研究機構を中心とした研究グループにより、世界的に認知される研究を展開していきます。 具体的実施計画として、研究の向上を目指し、URA(University Research Administrator)の充実を行います。このURAにより教員の研究サポート体制を一層強化させます。特に、トップダウン型とボトムアップ型の双方が有効に機能する研究戦略策定体制を確立していきます。 研究成果の広報の強化も重要であり、本学の研究成果を定期的にプレス・リリース、記者発表していきます。活発な広報活動を行い、産学連携活動等に結びつけていきます。4.教養教育の充実 以上の将来構想の中でも触れている教養教育ですが、研究を発展させ、深化させるにはどうしても総合力が必要であり、発想の豊かさが要求されます。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です