理窓2014年4月号
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6 陽春の候、理窓会の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。大学を取り巻く状況も少子化の影響が大きく、厳しい昨今ではございますが、皆様のご支援を持ちまして、この4月も新入生を迎えることができました。希望を持ち、勉学への意欲に満ち溢れた新入生たちの面持ちを見ると、迎える大学側も気の引き締まる思いを致しております。 ところで、世界はグローバル化や情報通信技術の進展に伴い、人・モノ・金・情報やさまざまな文化・価値観が国境を越えて流動化するなど、変化が激しく、先行きが不透明な社会に移行しつつあります。さらには、環境問題、食料・エネルギー問題、民族・宗教紛争など、さまざまな問題に直面しております。また、BRICs諸国など新興国の台頭による国際競争の激化、生産拠点の海外移転による産業空洞化など、わが国を取り巻く経済環境はますます厳しさを増し、わが国の国際的な存在感の低下が懸念されます。 振り返って国内の状況を見ますと、急激な少子化・高齢化に直面し、都市化・過疎化が進行し、地方の衰退・疲弊が進むとともに、世代間・世代内の社会的・経済的格差が拡大、そして価値観やライフスタイルの多様化が進んでおります。また、サービス産業の拡大、国籍を問わない人材採用、成果・能力重視の賃金制度の導入など、かつてのような終身雇用・年功序列といった一律横並びの雇用慣行が変容しつつあり、従来の企業内教育による人材育成機能の低下が懸念されます。就職ミスマッチなどの問題を背景として、若年者の失業率・非正規雇用の割合も増加している状況です。 これらの社会情勢をふまえ、本学が日本国内で社会的に高い評価を得ている伝統ある「実力主義」の学風を将来にわたっても継承し、理工系総合大学として、各学部・研究科がそれぞれの特色を活かしつつ、魅力あるグローバルな頭脳循環拠点となり、教育・研究の両分野において国際競争力を持ち、「日本の理科大」から「世界の理科大」となるため、今後、次のような諸施策を学長の強いリーダーシップのもとで実行して行きたいと考えております。 まず、2013年4月には、葛飾キャンパスを稼動させました。理学部第一部から応用物理学科、工学部第一部から建築学科・電気工学科・機械工学科、工学部第二部から建築学科・電気工学科、そして基礎工学部が集まり、先端融合分野を研究する「学園パーク型キャンパス」として開校した葛飾キャンパスですが、充実した研究・教育設備のもと葛飾区とも連携し、近い将来には必ずや大きな実績を上げるものと期待しております。 学内体制については、再任となった藤嶋昭学長と手を携え、3名の副学長体制を整えました。また、女性活躍推進会議を興し、「リケジョ」の力を結集すべく意見を具申いただくこととしております。さらに、社会のグローバル化と歩調を合わせ、大学のグローバル化を目指し、特別顧問として元理事長挨拶理事長挨拶  “理窓会の皆様へ“理窓会の皆様へ~日本の理科大から世界の理科大へ~~日本の理科大から世界の理科大へ~””学校法人東京理科大学理事長 中根 滋

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