理窓2014年1月号
40/54

36に近い学校で、公立中学の中でも比較的落ち着いていると言われる中学校です。私は初任者でありながら2年生の担任を任され、部活は剣道部を見ています。 中学校という教育現場は予想以上に過酷で、朝の会開始のチャイムが鳴ってから生徒の下校時刻まで一瞬も気が抜けません。赴任した当初、私は毎朝教壇に立つ前に職員室の中で緊張でガチガチになっていました。また授業中も生徒がどのような顔をしていたかさえも覚えていないくらい毎日緊張の中授業だけを必死にこなすような生活をしていました。正直毎日疲れました。 しかし幸いなことに常盤中には理科大卒で1歳年上の、さらに私と学部・学科まで同じ先輩の理科の先生が居たのです。私はその先輩に授業や生徒指導についてさまざまな事を教えてもらったり、アドバイスをもらったりしながら少しずつ授業にも慣れ、その結果良い意味で余裕が生まれました。 余裕が生まれると生徒の顔もしっかり見ることができ、そしてまた良い授業ができるという良い循環ができるようになりました。今では以前に比べ授業も円滑に進むようになり、やっとリズムを掴めてきたような感じがします。 私は今生徒に対し挨拶・礼儀・感謝することについて厳しく指導しています。というのも私を含め社会に生きる人間は周りの人に支えられながら成長していくものだと思うからです。その支えてくれた人に何ができるのかと考えたとき、それは挨拶をはじめとした礼儀をもって接すること、また最後にしっかり感謝をすることだと思います。私は今長年の夢であった教員になれました。しかしそれまでにたくさんの支えてくれた先生方や周りの人達がいました。そして今周りでサポートしてくれている先生方もいます。今はその皆様に本当に感謝しています。理数教育地区公開講座 中央区立佃中学校 11月16日(土)に理数教育地区公開講座を本校体育館で実施しました。東京理科大学学長 藤嶋昭先生を講師としてお招きし、「身の周りにはおもしろいことが多いー感動しながらその理由を考えようー」と題した講演会を実施しました。藤嶋先生は、光触媒の分野のパイオニアでありノーベル賞候補として名が挙げられるなど国内だけでなく世界的権威としてご活躍されています。講演会では「なぜそれが青いのか」「朝焼けや夕焼けが赤いのはなぜか」「雲が白く見えるのはなぜか」といった身近な「光」に関わる疑問を説明してくださいました。先生が開発された光触媒の酸化チタンを使って、色が変わる様子の実演もありました。さらに「虹」や「稲妻」、植物や動物のこと、歴史や美術に関する内容もわかりやすく説明してくださいました。講演の最後には、15人の生徒からの質問にも丁寧に答えてくださいました。良い環境の中で、仲間と関わり刺激し合うこと、たくさんの本からさまざまなものの見方や考え方に触れることを通して、中学校時代に人としてのしっかりとした「基礎=土台」をつくることの大切さを教えてくださいました。そして、疑問を持ちそれを探求しようとする「科学の目」を持つことで興味が広がり、これから日本を支える人材に育って欲しいとの熱いメッセージをいただきました。(佃中学校は東京都教育委員会の理数フロンティア校に指定されています。)  生徒数280名 各家庭に配布 「佃中だより」より

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です