理窓2014年1月号
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14・1 理窓9 ヨーロッパ科学院会員、東海大学教授、NHKテレビ講座講師、(NPO)体験型科学教育研究所理事長などを歴任し、幅広く数学教育に力を注ぎ活躍されている数学者・秋山仁先生は、ご多忙の中、今回のHCDでも講演してくださった。 冒頭、昨年度から東京理科大学理数教育研究センター長に就任したのでノーギャラになったが「理大のためなら身を粉にして働く」と笑わせた。まず、2013年10月2日オープンした「秋山仁の数学体験館」に触れ、数学嫌いが多い中、何とか数学に触れて、見たり体験したりしてほしい。来館者から「今までの数学と全く違って面白かった。初めてよくわかった」という感想が寄せられていると楽しくPRをされた。歩いて来た道 44年の応用数学科卒であると当時の写真などをスクリーンに映して、ユーモアたっぷりに学部生当時のエピソードを話された。そして、上智大学大学院卒業後、本学のゼミの恩師浜田先生と協力して当時の新分野「グラフ理論」に没頭したと、専門の研究に至った経緯を語られた。その後、グラフ理論の著者Frank Harary先生のいるミシガン大学に留学して必死で学んだ。そして、グラフ理論の専門誌を刊行し、国際会議を開催した。また、これからは出る杭を育てようと、数学オリンピックに関わった。日本は平均の学力を高めようとして、突出した人を育てることはしてこなかった。団長として臨んだ北京大会は18位に終わったが、最近はベスト10に入っている。マジック仕立ての多面体のお話 まず、正四面体を切って開いて平らにして、葛飾キャンパスを祝う「寿」の文字を出した。正四面体のいかなる展開図も平面充填図形である(四面体タイル定理)。 切頂八面体の豚が直方体のハムに、菱形12面体のキタキツネが蛇の直方体に変身するなど、楽しいマジックが続いた後、自ら開発したペンタドロン(五面体)を取り出し、形に関する元を探す研究の一端を紹介された。空間を充填する菱形12面体等の5つの立体はこのペンタドロンから作られることを短時間で実演された。シャンソンのおもてなし アコーディオンを合奏しながら「河は呼んでいる」「悲しき天使」「ラガレリア」などの曲を披露し、とても楽しく素晴らしいひと時となった。最後に、世界の理科大となれるよう、先輩諸氏のご協力をお願いしたいという力強いメッセージでメッセージで締めくくった。秋山 仁先生 記念講演講演テーマ「 I am a lonely math-magi-musician」会場 図書館3階 大ホール時間 15:30~16:30

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