理窓2014年1月号
12/54

8 英語による挨拶で講演をスタートさせ、理科大の目指している世界への発信を印象付けた。自己紹介に続けて、理科大の次の10年20年を見据えて、その方向づけを熱く語った。日本のこれから 子どもたち、企業、日本の経済にとっても大切な時期に来ている。2100年に待ち受ける日本の大きな課題の一つは人口の大幅な減少である。二つ目は世界における日本の重みである。2000年に世界における日本の重みづけは16%であったのが、国外の企業の成長によりますますその重みは減少することになる。日本の若者はこの現実と向き合っていかなければならない。理科大もこの二点で考えなければならない課題である。日本の理科大から世界の理科大へ 企業の成長投資は世界の成長率の高い国に照準を合わせる。理科大の卒業生が就職しようとしたとき、半数以上が国外に市場を求める企業である時代がそこまで来ている。国内の成長機会は国内でのテクノロジーのレベルが高いことからさらに最先端の技術系、最先端のソリューション系分野に加えて、Double-Degree拡張知識をもって、高い知識、技術を目指し、世界を一つの乗り物のように若者がビジネスに携わっていくようになるだろう。理科大学の戦略 TUSはTokyo University of Science、理科大学の略称であるが、西日本では知名度がほとんどない。よくよく見るとTUSはTeach“U”Scienceで、「あなたに科学を教える」という神がくれた生まれ持ったブランディングをもっている。このブランドで世界へさらに大きく成長していきたいと思っている。世界の理科大を築くために 世界における経済、知識、研究最先端等の競争に勝つ力、つまり国際競争力の向上が国際化である。理事会では正式にその国際競争力の向上に取り組むことに決定した。「魅力あるグローバルな頭脳循環拠点としての理科大」を目指した。大学の魅力とは世界の最優秀若手諸君として、自ら理科大を選ばせるに足る理科大の研究・教育の両分野における総合的な力である。ここでノーベル賞を78名輩出しているMITをベンチマークする。理科大の収入の約10倍で、研究収入が圧倒的に占めている。理科大は世界ランキングでも100番外だが23位の東大を始めとした、京大、阪大、早稲田、慶応を押さえて就職率は5位である。国際競争力の向上 「教育の革新」では、何を、どのように、誰が、世界の何処で教えるか。「先端科学研究の世界的卓越性」では、何を、誰が、才能のある世界の誰と研究するか。「女性の活躍の徹底推進」では、学生、科学者、先生、プロフェッショナル、経営者として女性の活躍推進の実現を目指す。「リサーチビジネス事業の卓越性」では、産学公連携事業の推進を目指す。この4つの柱を掲げ、世界トップの強豪と競争していきたい。多大なご支援をお願いしたい。中根 滋理事長 記念講演講演テーマ「 危機的大転換期に突入した日本の大学―理科大の戦略」会場 図書館3階 大ホール時間 11:45~12:30

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です