理窓2014年1月号
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14・1 理窓7光触媒の応用が広がっている。 まず私の専門である光触媒の最初の応用は東京駅丸ビルのタイル。サイドミラーは曇らず雨の日も運転しやすい。その元はネーチャーに出した論文で、光をあてると酸化チタンは水を分解し、酸素と水素が出来た。鏡が曇らないのは酸化チタンが水になじみやすいためである。建物に応用され汚れないセルフクリーング効果のあるタイルが世界中に使用されている。光触媒に関しては経産省の理解により、4月に光触媒国際研究センターを10億円で野田にオープンした。私も週に一回は見ている。人工光合成では薬学部を活かす薬草の国産栽培をめざし、漢方薬を作りたい。地球の温暖化を減らす黒いダイヤモンドを作る。 ダイヤモンドはボロンを入れると導電性になり、水に溶かした炭酸ガスの還元により燃料ができる。水にダイヤモンド電極を使うとオゾン水ができる。あるいは、ホルムアデルヒドができ、いろんな樹脂ができるので多くの会社で扱って欲しい。科学は面白いと皆が知って欲しい。 身のまわりのもので150年前まで分からなかったのは空が何故青いか?夕焼けは赤いかである。酸素と窒素により青い光が散乱しやすい。太陽光をプリズムで分光したのはニュートンである。青空をベンゼンで再現したのはチンダルである。しかし、粉を水に溶かし、光をあてると同じことが簡単にできると学長が実演した。学長がまとめた「世界の400の不思議」の中に橋には入口と出口がある。 また、雷はピカピカと怖いが今は地震、雷、火事、奥さんである。ゴロゴロと雷さんが太鼓を叩いている。一万ボルトの電流が流れて熱くなり、空気がゆれることが太鼓の皮が鳴ると同じと紹介し、このように自然現象を知るとどんなことでも面白くなる。良い雰囲気を作る。 パリで画家達が交流した結果、オルセー美術館にルノアール、モネ、ゴッホ、ゴーギャンが並んでいる。イタリアフィレンツェはレオナルドダビンチ、ミケランジェロ、ラファエロがいた。 いいものはお互いに高め合う。理科大をそのような良い雰囲気にしていきたい。その雰囲気づくりが大切。それには良い本を読んでもらう。学長推薦図書を置き、学生に読んでもらっている。この葛飾の図書館にもコーナーを設けた。150冊を選定した本を出版した。是非読んでもらいたい本は「星界の報告」ガリレイ、「ロウソクの科学」ファラデー、「二重らせん」ワトソンとクリック、寺田寅彦の弟子中谷の「雪」などがあると結び、学長の最先端の科学研究と理科大や青少年の科学に対する啓発の取組に会場は万雷の拍手に沸いた。会場 図書館 3階大ホール時間 11:00~11:45藤嶋 昭学長 記念講演講演テーマ「科学を楽しく~身のまわりには面白いことが多い~」光触媒の応用光触媒の応用何故空は青く、夕焼けは赤い何故空は青く、夕焼けは赤い良い雰囲気は良き人財の育成良い雰囲気は良き人財の育成チンダル現象の実験を簡単に再現チンダル現象の実験を簡単に再現記念講演会

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