6年間の都立高校教員生活を振り返って

平成27年度、理学部化学科を卒業して都立高校の教員になり、令和3年度末で教員6年目を終えることになります。原稿執筆の依頼を受けまして、これまでの自分の教員生活を振り返る良い機会になると思い、ありのままに文章を書かせていただきました。
初任からの4年間は、毎年東大・早慶への合格者を輩出している都内有数の進学校に勤めました。授業になかなか慣れず、クラスの生徒全員からの視線を一身に浴びて、汗だくになりながら授業する日々が続きました。最初の1年間は毎晩8~9時を過ぎるまで授業準備を行いました。プリント教材を完璧に作成できたと思っても、肝心の授業がうまくいかずに落ち込むこともありました。失敗・反省を繰り返しながらの毎日で悔しい思いばかりでしたが、周りに支えられて4年間何とか続けられました。2年間授業を担当していた生徒が東大に合格して、「先生のお陰です」と挨拶に来てくれた時は、本当に嬉しかったです。
その後、定時制高校へ異動になり、いきなり教員人生初の担任を受け持つことになりました。前任校の生徒に比べると学力は非常に低く、これまで準備してきた教材が全く役に立たずに一から作成し直しました。日本語が通じない生徒、地元の悪い集団と非行に走る生徒、施設から通う生徒、発達課題を抱えている生徒など、様々な背景を抱えた生徒が多く在籍しています。同じ教員という立場のはずなのに環境がまるで変わり、あたかも転職したかのように感じました。不登校生徒への向き合い方やご家庭との連携がなかなかうまく行かず、最初から試行錯誤の連続でした。とは言っても人懐っこい生徒が多く、彼らから元気やパワーをもらい、その度にやりがいを感じながら何とかここまで頑張っています。
教育現場は常に想定外のことが起こり、その度に臨機応変に対応しなければならず、正直とても大変です。しかし、生徒と共に成長できる素敵な仕事だと思います。教員を目指して頑張っている後輩の皆さんを、心から応援しています。

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