高効率でクリーンな電力システムを構築する

研究室紹介
現在、片山研究室では、次世代のエネルギー源を上手に組み合わせてマネジメントすることにより、高効率でクリーンな電力システムを構築することを目指しています。特に、燃料電池や太陽電池、電力変換回路等を使った実験やシミュレーションによってさまざまな研究課題に挑戦しています。
研究例1
機械学習によるエネルギーシステムのマネジメント・異常検知
太陽誘電株式会社との共同研究により、太陽光発電所の異常を機械学習によって検知する技術を開発しました。この技術では、太陽光発電所が正常に発電している一定期間蓄積された一部の太陽電池パネルの電圧データのみを学習することで、高精度の異常検知を実現できます。従来の技術では難しかった太陽電池パネルのガラス割れなどによる非常に小さな発電量低下を本技術で検知することが可能になりました。

シミュレーションによる最適なエネルギーマネジメントの検討

また、太陽光発電に加えて蓄電池を利用しているエネルギーシステムにおいては、蓄電池をどのようなタイミングでどの程度充放電するかで得られる利益が変化してきます。当研究室では機械学習の一つである深層強化学習を用いて、経済性や環境負荷などあらかじめユーザーが設定した指標が最大になるような方法を自己学習する手法を研究しています。何千万日分の試行錯誤をシミュレーション上で行うことで、人間がマネジメントのためのルールを全く与えることなく学ぶため、様々なシステムに応用が可能であることが特徴です。今後は実際の太陽光発電や蓄電池をつかって実証試験を進める予定です。

研究例2
静電噴霧法を用いた固体高分子形燃料電池の触媒層形成

静電噴霧法の原理と触媒層の電子顕微鏡写真

固体高分子形燃料電池の触媒層は電気化学反応が起こる非常に重要な部分です。触媒層は表面積をできるだけ大きくするとともにスムーズに水素、酸素、電子、イオン等を運ぶ必要があります。これまで、触媒層はエアスプレーやスクリーン印刷で作ることが一般的でした。本研究では、静電噴霧法という高電圧を用いたスプレー技術を用いて、粒子を微細化するだけでなく、粒子を静電気力で狙ったところに引き寄せられるため製造時の無駄も大幅に削減できると期待されています。

野田キャンパス12号館屋上に設置した太陽光発電システム

卒業生コメント
室谷 駿 株式会社LIGHTz(理工・電気電子情報工学科 2021)
片山研究室では機械学習を用いて、電池内部の変化を推定する研究に取り組み、エネルギーや機械学習について学びました。現在AIシステム・サービスを開発しているベンチャー企業で働いており、商談や開発など研究室で学んだ知識スキルが役立っています。自由に学び、作り、共有できるユニークな研究室で過ごすことができて充実した時間でした。

 

 

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