松本新学長からのご挨拶 学長就任にあたって

この度、第10代学長に就任いたしました松本洋一郎です。「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」という本学の理念を、長年にわたって実践されてきた藤嶋昭先生から襷(たすき)を受けたことは、非常に光栄であるとともに、その責任の重さも感じています。

強みを伸ばし、さらなる発展を

2016年に示されております長期ビジョン「TUS Vision150」を踏まえて、東京理科大学は科学技術分野において、世界レベルで活躍できる人材を育成していく必要があります。そこで私に課せられた最初の仕事は、本学独自の強みをさらに伸ばせる環境を作り、合理的な発展の方向性を立案することだと認識しております。長期ビジョン達成のための施策や方法論は、学生諸君と教員・職員の方々、理事など執行部の方々らと、自由闊達な議論をしながら策定していきます。

東京理科大学の教育方針や実績については、すでに社会的にも高い評価を得ています。一方、将来にわたって本学が存在し続けるためには、産業界や理窓会の皆様から、支援に値する大学とご判断いただけるよう、自らの価値をさらに高めていかねばなりません。そのためにまず、私たちの強みの一つである教育力に加えて、研究力をより効果的に発信し、産学連携がしっかりと機能するような構造を学内に作っていく考えです。

研究力強化に関して、ある程度以上の規模の研究プロジェクトについては、研究責任者に寄り添い予算管理や進捗管理などを担うプロジェクトマネージャーを適切に配置する必要があると考えています。また、優れた教育・研究方法を実践している教員を評価、顕彰し、他の学部や研究室でその内容を共有できる仕組み作りにも着手する予定です。その狙いは、教員同士のコミュニケーションをいっそう円滑にし、さらには、教員と学生との緊密な一体感を醸成していくことにあります。

中期的には、社会人や外国人の入学生をさらに増やしていきたいと思っています。多様なバックグラウンドを持った人々が集まり、活発な議論や研究が行われている環境は、とりわけ日本の高校を卒業してすぐに入学した学生諸君にとって、自身の将来を考える上でも有益になるはずです。

創造的な教育・研究に取り組もうとする教員、学生が広く国内外から集い、多様な意見が渦巻く中で、組織全体では重要な目標や意識が共有されているという、オープンな教育・研究環境の整備。また、多様化、複雑化する世界の中で、課題を自ら設定し、最善な解決法を提示できる人材を育成する組織づくり――。こうしたことが、自らの使命だと考えています。

東京理科大学のさらなる発展に向けて、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


松本学長略歴

松本 洋一郎(工学博士)
昭和24年(1949年)4月25日生まれ(68歳)
昭和47年(1972年)東京大学工学部機械工学科 卒業
昭和52年(1977年)東京大学大学院工学系研究科 博士課程修了

職歴 

昭和52年(1977年)東京大学工学部 講師
         (昭和53年 助教授、平成4年 教授)
平成21年(2009年)東京大学 理事・副学長
平成27年(2015年)(国研)理化学研究所 理事
平成27年(2015年)(国研)国立がん研究センター 理事[非常勤]

受賞歴(主なもの)

平成22年(2010年) APACM Award for Computational Mechanics
平成22年(2010年) ASME Ted Belytschko Applied Mechanics Award
平成27年(2015年) 東京都功労者表彰(技術振興功労)
その他受賞多数

学会などにおける主な活動

(一社) 日本機械学会 会長(第88期) 
日本学術会議 会員・第三部 機械工学委員会委員長(第23期)
米国機械学会フェロー(終身会員)

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