新年を迎えて-学校法人東京理科大学 学長 松本 洋一郎

理窓会の皆様、明けましておめでとうございます。
本学は創立以来、「理学の普及」を建学の精神として、「実力主義」の下、「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」を教育・研究の理念として、活動を強化しています。大学の価値は教育と研究を通じて、社会の様々な課題を解決していくことにあります。これは、2030年に向けて持続可能な開発のためのアジェンダとして、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標:SDGs」に通ずるものです。

SDGsには、我々が認識すべき社会的課題と目標が示されていますが、明確な解決方法が示されている訳ではありません。あるべき世界の姿からバックキャストして、解決方法を研究し、実行して行く必要があり、大学には大きな期待がかっています。

グローバル化、デジタル化が進む現代は、激動、不確実、複雑、不透明な時代とも言われ、個々の社会的課題は複雑に関係し、従来のやり方では、解決できなくなっています。そうした中、科学・技術分野の競争は激しく、生き残りをかけて各国、各研究機関、各大学は、共創と競争を繰り広げています。人材育成を担う大学として、危機に直面している今こそ、ガバナンスを強化し、教育・研究の高度化を行うことが必要で、社会の公器として、不断に外部の意見を取り入れ、透明性を高め、社会への説明責任を果たすとともに、外部機関との連携を行うことが重要です。

このような状況の中、本学は、2031年に創立150周年を迎えます。我が国の発展を担う人材を育成してきた伝統を基盤に、世界で通用する教育力・研究力を持ち、世界に貢献する大学になるべく、「TUS VISION 150」を策定しています。理科大のあるべき姿を実現するために、多様な研究分野との融合や企業、自治体、市民等といったステークホルダーとの連携を図り、持続的に成果を創出する産学官共創拠点を形成していきたいと思っています。

140周年を150周年に向けた「実力主義」の関門と捉え、さらに研鑽し、本学がイノベーション・エコシステムを実現できるよう、多くの方々と力を合わせ、世界に貢献する大学を目指して、活動を強化していきたいと考えています。

関連記事

ページ上部へ戻る