創立140周年 二村記念館 近代科学資料館 リニューアル

秋山仁館長あいさつ
東京理科大学の前身である東京物理学校は、創立されたばかりの東京大学理学部仏語物理科で学んだ21人の20代の若者たちが力を合わせて創立した、世界でも類いまれな大学です。彼らは、理学の普及は国を発展させ、人類を平和に導くと先見し、向学心溢れる人々に理学を学べる場を提供しようと考えました。自分の能力の及ぶ限り、世の中のために尽くすことが使命であると考えていた彼らは、1881(明治14)年に東京物理学校を創立したのです。その後、本学は教育、研究の場として進化し続け、今年(2021年)、140周年を迎えました。これは真に勇往邁進と艱難辛苦の連続でした。
アインシュタインは「過去から学び、今のために懸命に生き、未来に対して希望を持て」と述べました。
この近代科学資料館は昔の物理学校があった場所と同じ地に再建された、思い出深い学舎です。この歴史的な空間の中で、皆さまに人類が築いた科学技術の進歩の足跡を垣間見ていただくと共に、創立者たちの気高いスピリット、歴代の教職員や同窓の人々の遺した偉業やDNAに触れていただきたく存じます。さらに、科学・技術がもたらす豊かな未来に夢を馳せ、科学技術に対する情熱の火を燃やし続けていただければ幸いです。

二村 冨久氏 胸像

二村(ふたむら)コーナー
この建物は、1906(明治39)年に建築された牛込神楽坂校舎の外観を復元し、1991(平成3)年、本学の同窓生である故二村冨久氏(1941年東京物理学校理化学部を卒業)のご寄付により建てられ、二村記念館と命名されました。二村記念館を入ると左手に二村氏の経歴や創立100周年記念時の卒業生インタビュー映像と共に胸像が展示されています。

 

二村記念館 近代科学資料館

―――― 展示案内 ――――

エントリーエリア
東京理科大学の神楽坂・野田・葛飾・長万部キャンパスの現風景、学生の溌剌とした学びの姿を映像で伝えています。

各キャンパスの活動と校旗

Ⅰ 東京理科大学のあゆみ
創立から140年の沿革、学部・研究科の変遷、初代学長本多光太郎から現在までの歴代学長の専門分野や研究、卒業アルバムなどを展示して、理工系総合大学としての発展の足跡が紹介されています。

東京理科大学のあゆみ(年表)とゆかりの品々

Ⅱ 東京物理学校の創立
創立者21人によって誕生した東京物理学校の歴史を映像で紹介しています。近代日本の夜明けに生きた創立者たちと関係のあった科学者や文学者などを人物相関図で表しています。漱石の坊っちゃんの原稿(複製)も展示されています。

創立者たちを中心とする人物相関図

Ⅲ 奎運(けいうん※ホール
建学の精神「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」を象徴するステンドグラスや、明治初期に国内で製作され開校当初より保存されていた水準器、東京物理学校で学んだ屋井先蔵が発明した屋井乾電池が展示されています。
※奎運(けいうん)とは、学問が普及していく勢いを表しています。創立者たちが「理学の普及」のために生きた姿を喩えるのにふさわしく、東京理科大学校歌に「いざ奎運の根とならん」と歌われています。

ステンドグラス

Ⅳ 近代の科学技術
世界と日本の近代科学の進展を科学史年表で俯瞰します。本学が創立された19世紀の終わり頃、西洋では科学技術の隆盛期を迎えようとしていました。教材として複製されたキログラム原器や、本学の実験室で使用されていた実験機器が展示されています。

科学史年表と当時の実験機器

Ⅴ 日本の黎明期の科学教育
江戸時代から明治期にかけて、日本の理学教育がどのように普及していったのか、東京物理学校が遺した貢献を紹介します。日本語の専門書が少ない時代に創立者たちが著した教科書や、当時の第一線の科学者が寄稿した「東京物理学校雑誌」が展示されています。タッチパネルで検索して主要な記事を閲覧することができます。

Ⅵ 未来への懸け橋
先人たちが築いた功績とこれからの姿を考えるコーナーです。2015(平成27)年ノーベル生理学・医学賞受賞者の大村智先生(本学大学院理学研究科1963年修了)関連の品を展示しています。また、本学で現在、活発に進められている最先端の研究なども紹介しています。
サロン
発明王トーマス・エジソンの蓄音機などが展示されています。また、1937(昭和12)年に校舎が建設されたときの映像を視聴できます。
※開館情報についてはホームページにてご確認ください。

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