スポーツ科学のチカラで健康長寿社会の実現を目指す

プロフィール:学生時代にソフトボールを通して、今は亡き理科大学丸山克俊先生(2022年1月3回忌)と出会う。埼玉大学を卒業後、東京都立大学において行動生理学分野で博士(理学)号を取得後、理科大薬学部の武田健研究室を経て、丸山先生の居られた野田キャンパス教養へ奉職した。

研究室紹介
これまでのスポーツ科学分野では、ほとんど手を付けられていなかった、動物モデルによるメカニズム解析とヒトにおける実装研究の両立的な実践に取り組んでいます。動物モデルとしては、身体活動量と脳を中心とした生体機能の関係から健康長寿の道を拓くための研究を続けています。又ヒトを対象とした研究では、消防隊員の熱中症予防策の検討や完全オンラインによるフィットネスレベル向上プログラムの開発などに取り組み、健康長寿社会の基盤となる心身の健康維持向上のためのさまざまなアプローチを行動生理学の分野から実践的な研究を続けています。

研究テーマ例紹介
・身体活動の効果
私の研究室では、運動だけではなく、日常のちょっとした生活活動の意義も含んだ“身体活動”が心身の健康に及ぼす影響とそのメカニズムの解明を進めています。この研究では、オリジナルの身体活動増加型豊かな環境を作成し、トレッドミル(ランニングマシーン)などによる運動だけではなく、階段を上ることや歩くことが生体に及ぼす影響について、生理学的側面から解明を進めています。

・オンラインフィットネスの開発
限られた時空間の中で、“いつでも・どこでも・誰でも”ユビキタスに実践可能なオンラインフィットネスプログラムを立案しました。このプログラムは、Post/Withコロナという喫緊の問題から、超高齢社会、ひいては宇宙生活の実現に向けた近未来的な開発プログラムとなることが期待されています。また、スペースシステム創造研究センターのプロジェクトの一員として、TUS・スペースフィットネスの創成を目指しています。

・地域社会の健康増進に対する取り組み
千葉県野田キャンパスの地元野田市の近隣住民に、研究室の持つリソースを還元する取り組みにも積極的に取り組んでいます。野田市介護保険課と連携して、地域高齢者への講演や広報活動、千葉県野田保健所と共同で地域企業の従業員の方々の健康管理、そして2021年度は「からだのサイエンスプロジェクト」を立ち上げ、子どもたちに科学と運動の楽しさを普及する取り組みも実施しています。

いろいろな研究を同時並行的に行っているため、多様なメンバーで構成されています。ポスドク時代からお世話になっている薬学部のメンバー、現在の所属である国際火災科学専攻のメンバーが違ったバックグラウンドの中でにぎやかに集まっています。

卒業生コメント
福井 瀬生 静岡県職員(理工・物2018/理工・研国際火災科学専攻修士課程2020)
柳田研究室では、『熱中症予防のための身体内部冷却方法の検討』について研究しました。外部機関へ出向き実験や、毎日の実験とその分析に追われていたことは今では良い思い出です。また、柳田先生には、他分野から進学してきた私を厳しく、時には優しく指導いただき、人間としても成長した二年間だったと感じています。今でもOB/OGの皆さんと集まることがあり、いつも楽しみにしています。

 

 

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